日本HP、高性能GPUを最大4基搭載できる最新Xeon採用ワークステーションなど発表:メカ設計ニュース(2/2 ページ)
日本HPは、東京都内で「プロフェッショナルのハイブリッドワークを支援する新製品発表会」を開催し、高性能ワークステーション製品の新ラインアップを発表した。
あらゆる用途に対応するZBookシリーズの新製品ポートフォリオ
モバイルワークステーションのZBookシリーズの新製品には、モバイル(可搬)性を重視するユーザー向けのZBook Firefly G10、ZBook Power G10と、1台で高負荷業務まで全てこなしたいユーザー向けのZBook Studio G10、ZBook Fury G10がある。
用途別に見ると、14インチ/16インチモデルを展開するZBook Firefly G10が2D CAD/ローエンド3D CAD/建築系CAD向けで、ZBook Power G10がローエンド〜ミドルレンジ3D CAD向けで、製造、建築、教育機関での利用に最適だという。そして、ハイエンドに分類されるZBook Studio G10がAEC(建築、エンジニアリング、建設)/M&E(メディア&エンターテインメント)/ゲーミングでの利用、ZBook Fury G10がミドルレンジ以上の3D CAD/VR(仮想現実)/データサイエンスでの利用を想定する。
いずれのモデルもCPUにインテルの第13世代Coreプロセッサを、GPUにNVIDIAのRTXシリーズを選択できる。
ZBook Fury G10であれば、CPUにデスクトップクラスの「Core HX」プロセッサを搭載でき、「3D CADだけでなく、CAEによる解析までモバイルワークステーションで対応可能だ」(同社 パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 バリュービジネス部 プロダクトマネージャーの中山智之氏)。また、グラフィックスに関しても、ZBook Fury G10であれば「RTX 5000 Ada」まで選択可能で、AI/ディープラーニング、VRなどの高負荷処理でも大幅なパフォーマンスの向上が期待できる。なお、ZBook Fury G10の販売価格(税込み)は59万7300円〜で、2023年6月中旬の販売開始を予定している。
その他、ハイブリッドワーク向けの強化ポイントとして、ZBookシリーズの最新モデルではバッテリー管理などの最適化が図られている他、内蔵カメラの視野角を従来機種よりも広角な88度に設定したり、ビデオ会議で役に立つ映像/オーディオ体験ソリューション「HP Presence」を提供したりしている。Presenceでは、例えば、複数のカメラやビューを用いて視覚的に情報共有が行える機能や、一時退席した際に直前の自身の静止画を表示する機能、マスク着用時でも発言がはっきりと聞こえるAIによるノイズ軽減機能などを提供する。
さらに、サステナブルなモノづくりの観点(デスクトップ/モバイル共通)では、リサイクル材の積極的な活用を推進。例えば、ZBookシリーズ製品のカバーに用いるアルミニウムパーツにリサイクル素材50%を使用したり、デスクトップワークステーションのZシリーズのプラスチックパーツにリサイクル素材を40%使用したりしているという。
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