ITエンジニアの働き方の理想と現実、転職事情を調査:キャリアニュース
リブセンスが運営する「転職ドラフト」が「ITエンジニアの働き方」に関するアンケート調査を実施した。ITエンジニアの働き方の理想と現実、人事担当者がITエンジニアの採用で重視することなどを調べた。
リブセンスが運営する「転職ドラフト」は2023年3月15日、「ITエンジニアの働き方」に関するアンケート調査結果を発表した。同調査の対象者は、ITエンジニアとITエンジニアの採用を担当する人事担当者で、ITエンジニア400人(男性386人、女性114人)、人事担当者100人から調査サンプルが集まった。
まず、ITエンジニアに「リモートワークの重要度」を尋ねたところ、「重要」(35.5%)、「やや重要」(36.8%)を合わせて72.3%が重要と感じていた。
これを性別および未婚既婚別で見ると、リモートワークを重要と考えている割合は未婚男性が71.1%、 既婚男性が72.8%、未婚女性は79.5%、既婚女性65.5%で、男性は既婚、女性は未婚の方が回答割合が高かった。
また、ITエンジニアに「理想のオフィス出社頻度」を尋ねたところ、トップ3は「週2日程度」(20.0%)、2位「フルリモート(原則在宅勤務)」(19.8%)、3位「週1日程度」(17.5%)となった。1位の「週2日程度」と2位の「フルリモート」は、ほぼ同数となっている。
実際の出社頻度は、1位が「週5日以上(フルオフィス出社)」(28.3%)、2位が「週の3〜4日程度」(18.3%)、3位が「フルリモート」(16.3%)となった。なお、週3日以上出社している人の割合は46.6%となっている。
子どもの有無で見ると、同居する子どもがいる人の理想の出社頻度は「週2日程度」(21.8%)が最も多かった。次いで「週1日」(20.4%)、「週3〜4日」(19.7%)となっている。子どもがいない人の理想の出社頻度は「週1日程度」と「フルリモート」(23.0%)が同率で最も多かった。
次に、ITエンジニアで「フルリモート(原則在宅勤務)」が理想と回答した人にその理由を尋ねた。その結果、トップ3は「出社するメリットが感じられないから」(59.5%)、「オフィスへの移動時間の負担を減らしたいから」(58.2%)、「リモートワークに慣れたから」(40.5%)となった。
続いて、現在リモートワークを推奨していない企業に、今後推奨する予定があるかを尋ねた。結果は、「いいえ」が45.7%と半数近くを占めた。「検討中だと思う」や「分からない」も20%台で、現在リモートワークを推奨していない企業は、今後も推奨しない方針であることがうかがえる。
「リモートワークを推奨しない(できない)理由」は「コミュニケーションが希薄になるから」(31.0%)が最も多かった。2位は「出社が必要な業種だから」「非効率的だと考えるから」(同率27.9%)となった。
ITエンジニアが転職で重視すること、苦労していること
人事担当者がITエンジニアの採用を強化する上で最も重視していることは、1位が「コミュニケーション文化のアップデート、風土づくり」(35.0%)、2位が「ワークスタイルの魅力」(34.0%)、3位は「企業の規模、安定性、成長性」(33.0%)だった。
一方、ITエンジニアが転職検討時に重視することは、1位が「給与、待遇」(64.8%)、2位は同率で「ワークスタイルの魅力」「社員の人柄、雰囲気、文化」(38.5%)だった。
「ITエンジニアが転職活動で苦労していること」は、1位が「選考に必要な書類の作成と、記載した書類内容の確認」(24.5%)、2位は3つあり「応募可能な求人を探すこと」「転職で求められるスキル、技術を把握すること」「選考に向けて、自分のスキルや能力を洗い出すこと」(同率23.5%)だった。自身の経験やスキルの棚卸しをしたり、応募企業に合わせて準備、対策したりすることを苦労、負担と感じている人が多いようだ。
ITエンジニアが転職を検討しているときに最も参考にする情報収集手段を尋ねたところ、「転職サイトの求人情報」(50.5%)が最も多かった。次いで、「企業のWebサイト」(43.3%)、3位「転職エージェント」(39.3%)となっている。
人事担当者がITエンジニア採用において力を入れている情報発信手段は「SNS」(25.0%)、「テックブログ」(22.0%)だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 20代社会人の88%が、仕事で「生産性が低いと感じた経験がある」と回答
学情が、20代社会人を対象にした「仕事の生産性」に関する調査結果を発表した。仕事において「生産性が低いと感じたことがある」と88.4%が回答した。また、70.0%が生産性向上のために意識しながら仕事をしていることが分かった。 - パナソニック エナジーが3年間で国内外5000人を採用、ジョブ型雇用への移行も
パナソニック エナジーは、2025年度までの3年間で国内約1000人、海外約4000人の合計5000人を増強し2万5000人の体制とする方針を打ち出した。この人的リソース強化に合わせて、新たな教育制度の導入や、ジョブ型人財マネジメントへの変革なども推進する。 - 職場は「男女平等ではない」と48%が回答、ジェンダーハラスメント被害は28%
ワークポートが、職場の「ジェンダーハラスメント」についての調査結果を発表した。「職場は男女平等ではない」と47.8%が考えており、27.6%が「ジェンダーハラスメントを受けたことがある」と回答した。 - リスキリングの学習時間が長い人は休日以外に「平日」も有効活用
「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」が「リスキリングの実態調査」の結果を発表した。リスキリングの学習時間が長い人は、休日以外に平日も有効活用しており、転職以外の学ぶ理由として「純粋に学んでみたかったから」を挙げた人が多かった。 - 【総まとめ】企業が成長していくために必要なデジタルエンジニアの育成
デジタル技術を活用し、QCDの向上を図り、安全で魅力ある製品を創り出せる「デジタルエンジニア」の重要性について説く連載。最終回となる今回は、これまでお届けしてきた内容から重要ポイントを抽出して総まとめとする。 - 72%が管理職になりたいとは思わない、理由は「出世欲がないから」
識学が「管理職に関する調査」の結果を発表した。「管理職になりたいとは思わない」と72%が回答し、その理由の1位は「出世欲がないから」だった。また、管理職の人に、苦労していることを尋ねると「部下の指導や育成」が最も多かった。