COI-NEXTの地域共創分野本格型に採択、共生アップサイクルの実践と理論化へ:サステナブル設計
慶應義塾大学は、同大学が代表機関となり、鎌倉市や参画企業/大学との共創により応募提案した「リスペクトでつながる『共生アップサイクル社会』共創拠点」が、JSTのCOI-NEXTの地域共創分野本格型プロジェクトとして採択されたことを発表した。
慶應義塾大学は2023年3月14日、同大学が代表機関となり、鎌倉市や参画企業/大学との共創により応募提案した「リスペクトでつながる『共生アップサイクル社会』共創拠点」が、科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の地域共創分野本格型プロジェクトとして採択されたことを発表した。
「リスペクトでつながる『共生アップサイクル社会』共創拠点」とは、2021年度から地域共創分野育成型プロジェクトとして進めてきた「デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」の取り組みが“本格型”へ昇格し、名称を新たにしたものとなる。
デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点の取り組みでは、鎌倉市をモデルに、市民、参加企業、市役所などと定期的に対話を重ねながら、大学研究者が有する多様な知識や技術をコアとして、先進的な循環型地域を実現するための準備を進めてきた。今回、このような活動が評価され、地域共創分野本格型プロジェクトとして採択されたという。
プロジェクトには、代表機関の慶應義塾大学、幹事自治体の鎌倉市、参画企業(幹事企業:カヤック)の他、叡啓大学、関西学院大学、高知大学、国際大学、信州大学、法政大学、北海道大学、ものつくり大学、横浜国立大学が参画大学として名を連ねる。
慶應義塾大学 環境情報学部 教授の田中浩也氏がプロジェクトリーダーを務め、同大学 理工学部 教授の宮本憲二氏、同大学 環境情報学部 教授の中澤仁氏らが研究開発リーダーとして参加し、研究の社会実装を進めながら、異分野融合による新領域「循環創造学」を創成するという。
プロジェクトの活動期間は、2032年までの10年間を予定する。デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点の地域研究活動サテライト拠点として2022年6月に開設した「リサイクリエーション 慶應鎌倉ラボ」(鎌倉市)を結節点とし、基礎研究から地域での社会実装につなげていくための仕組みづくり、次世代人材の育成、起業支援、国際連携などを統合的に進められる拠点の構築を目指す。
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