水中で冷却して切断、カバーなしでクラス1の加工可能なファイバーレーザー加工機:FAニュース
コマツ産機は、水中での形状切断ができるファイバーレーザー加工機「TWCL10-1」「TWCL08-1」を発表した。水中でレーザーを減光し、冷却しながら加工するため、レーザー安全クラス1での高品質な厚板鋼板加工ができる。
コマツ産機は2023年2月24日、水中での形状切断ができるファイバーレーザー加工機「TWCL10-1」「TWCL08-1」を発表した。同年1月に発売しており、価格はTWCL10-1が1億2000万円(税別、運送据え付け費別)。国内で年25台の販売を目指す。
新開発のファイバーレーザー加工機は、レーザー光を水中で安全なレベルまで減光するため、マシンカバーなしでレーザー安全クラス1での厚板鋼板加工が可能だ。マシンカバーがないことで、鋼板や製品の出し入れなどが容易になり、作業性が向上する。
水中で冷却しながら切断するため、鋼板の温度上昇が抑えられ、製品間ピッチを短縮できる。熱ゆがみを抑制することで切断不良を低減し、特に熱変形を起こしやすい長尺物の高精度切断に貢献。歩留まりの改善も期待できる。
また、粉じんやガスといったヒューム(汚染物質)の発生を抑えることで、作業環境が改善し、集じん機が不要になった。マシンカバーや集じん機がない分、加工機が軽量化し、駆動電力やCO2の削減につながる。
TWCL10-1、TWCL08-1ともにレーザー発振器出力は6.0kWで、最大切断板厚(軟鋼)は22mm。最大加工寸法はTWCL10-1がX軸1万2300mm、Y軸3100mm(テーブルサイズ10×40feetの場合)、TWCL08-1はX軸1万2300mm、Y軸2500mm(同8×40feet)となっている。
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