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2023年はispaceの月面への挑戦に注目、日本初の月面走行も実現するか:MONOist 2023年展望(3/3 ページ)
2023年もさまざまな話題がある宇宙開発。今回は、2022年に引き続き、「月面探査」「新型ロケット」「深宇宙探査」の3つをテーマに動向を見ていきたい。
Bennuからはどんなサンプルが届くのか?
深宇宙探査の分野でまず紹介したいのは、NASAの小惑星探査機「OSIRIS-REx」の地球帰還だ。同探査機はすでに、小惑星Bennuでのサンプル採取に成功。現在、地球に向かっているところで、2023年9月24日に到着する予定だ。
小惑星からのサンプルリターンには、2020年12月、JAXAの「はやぶさ2」が成功。現在、続々と研究成果が発表されているところだ。ただ、さまざまな謎を解明するには、もっと多くのデータが欲しい。はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウのサンプルとBennuのサンプルを比較することで、さらに多くの新しい知見が得られるだろう。
その他、2022年の展望記事では、ESAの木星氷衛星探査計画「JUICE」と、NASAの小惑星探査機「Psyche」を紹介したのだが、どちらもそろって延期されてしまった。新たな打ち上げ予定は、JUICEが2023年4月13日、Psycheが同年10月1日となっているので、こちらも注目したい。
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