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椿本チエインが人工光型の大型植物工場を建設、自動化技術生かし需要増に対応:工場ニュース
椿本チエインは、同社初となる人工光型の大型植物工場を福井県美浜町に建設する。自動化技術や栽培ノウハウを生かした大型植物工場の建設により、中食、外食市場で拡大する植物工場野菜への需要に応える。
椿本チエインは2023年2月14日、人工光型の大型植物工場を福井県美浜町に建設すると発表した。同社初となる植物工場で、着工は同年11月、事業開始は2025年5月を予定している。
同工場は、次世代モデル工場を目指すべく、栽培ノウハウと販売実績を持つ木田屋商店から支援を受ける。木田屋商店の栽培技術と、椿本チエインがこれまでアグリビジネスで培ってきた自動化技術、知見を生かす。
工場の敷地面積は約8500m2。約28億円を投資して建設する。植物工場の大型化と自動化により、コンビニエンスストアや中食、外食市場で拡大する植物工場野菜への需要に応える。フル稼働時の従業員数は35人(予定)で、レタス類を1日に約2.2t(トン)生産する。
また、同工場は、アグリビジネスの研究、開発拠点としての機能も担う。自社で植物工場を運営することにより、栽培ノウハウの蓄積に加え、現場や市場のニーズを把握し、商品開発など6次産業化を視野に入れた事業拡大につなげていく。
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