ドローン部品用に3Dプリンタを採用、CFRPを使った高品質パーツを生産:3Dプリンタニュース
マークフォージド・ジャパンは、VFRがドローン部品の生産用に同社の3Dプリンタを採用したと発表した。部品の生産期間を従来の1カ月から1〜2日へ短縮し、製造工程におけるデジタルツインの検証にも貢献する。
マークフォージド・ジャパンは2023年2月8日、VFRがドローン部品の生産用に、同社の3Dプリンタを採用したと発表した。高強度かつ軽量素材のCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使った、高品質パーツの生産に貢献する。
VFRは、MarkforgedのAM(Additive Manufacturing、積層造形)ソリューションのラインアップから、「X7」を含む4台の3Dプリンタを選定。工業向け3DプリンタのX7は、長繊維カーボンファイバー特有の高い強度対重量比、高い寸法精度、滑らかな表面仕上げが必要なドローンパーツの造形に適している。
X7は、カーボンやガラス、ケブラーファイバーを含む4種類の長繊維をナイロン母材とともに3Dプリントでき、軽量かつ金属相当の高強度と剛性が得られる。また、Markforgedのクラウド型ソフトウェアプラットフォーム「Eiger(アイガー)」により、複数の3Dプリンタを時間や場所の制約なしに利用できる。
同時に選定したデスクトップ3Dプリンタ「ONYX ONE」は、軽量かつ低コストでドローン部品が造形でき、実用的なソリューションを提供する。
VFRでは、3Dプリンタの運用を開始してから90日間で、30機のドローンそれぞれに対し、約30点の部品を製造した。開発段階では試作部品の迅速かつ安価な作製に加え、製造工程におけるデジタルツインの検証にも貢献。部品の生産期間が、従来の1カ月から1〜2日へ大幅に短縮した。
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