工場のカーボンニュートラル化へ、現場のCO2情報見える化を支えるEdgecross:スマート工場EXPO2023
Edgecrossコンソーシアムは、「第7回スマート工場EXPO」において、Edgecrossを用いて、製造現場の装置のリアルタイム情報を取得し個々の電力消費量やCO2排出管理を行う仕組みを紹介した。
Edgecrossコンソーシアムは、「第7回スマート工場EXPO」(2023年1月25〜27日、東京ビッグサイト)において、Edgecrossを用いて、製造現場の装置のリアルタイム情報を取得し個々の電力消費量やCO2排出管理を行う仕組みを紹介した。
Edgecrossコンソーシアムは2017年に設立され、企業や産業の枠を超えてエッジコンピューティング分野における付加価値創出を目指している。「つながる」「ひろがる」「かんたん」をコンセプトに、オープンなエッジコンピューティング環境を実現するソフトウェアプラットフォーム「Edgecross」を中核とし、製造現場のさまざまな設備からデータを取得し、情報を見える化、各種ITシステムとの連携を進めている。
一方、日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言など、世界的に脱炭素への要求は高まっている。製造活動の中で多くのCO2排出を行う製造現場への圧力も高まっており、現場でより詳細にCO2排出量を管理する動きが進みつつある。ただ、製造現場では、さまざまな企業のさまざまな年式の機器が使われており、これらのデータを取りまとめるのは容易なことではない。
そこで、Edgecrossコンソーシアムは2023年1月13日に、カーボンニュートラルソリューション構築ワーキンググループ(WG)を設立。WGには、NTN、Empress Software Japan、オムロン、コンテック、サトー、日本IBM、NEC、日立製作所、パトライト、三菱電機、三菱電機インフォメーションシステムズの11社が参加している。製造現場のさまざまな機器からのエネルギーやCO2排出量データをEdgecrossを活用してまとめて見える化し、工場のカーボンニュートラル化に貢献するソリューションの構築などを進める。
今回のスマート工場EXPOでは、このさまざまな機器を簡単につなぐという特性を生かし、製造現場の各種機器から出るCO2排出量をリアルタイムで管理し、生産性と環境対応を同時に管理する仕組みを紹介した。
実際の展示では、製造現場の設備に見立てたロボットから、Edgecrossを通じてデータを収集し、三菱電機の「EcoAdviser」、三菱電機インフォメーションシステムズのMESソリューション「MELNAVI」、日本IBMの「Envizi」の3つにリアルタイムに示すデモを行った。「製造現場のカーボンニュートラル化を進める中では、現場の実測情報の活用が必要になってくる。一方で脱炭素化を進める上で製造現場での生産性が落ちては意味がない。Edgecrossを使って両方の情報を簡単につなぎ、最適な形で改善できるようにしていく」(Edgecrossコンソーシアム)。
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