奈良女子大学 大学院がHexagonのソフトを立体構造物の内部状況の推定に活用:CAEニュース
Hexagonのソフトウェア「MSC Apex」「MSC Nastran」「Actran PLTViewer」を、奈良女子大学 大学院が立体構造物の内部状況の推定に活用している。
Hexagonは2023年1月16日、CAEソフトウェア「MSC Apex」、構造解析ソフトウェア「MSC Nastran」、汎用(はんよう)音響解析ソフトウェア「Actran PLTViewer」を、奈良女子大学 大学院が立体構造物の内部状況の推定に活用していると発表した。
国内の社会インフラの多くは、建設から50年ほどが経過しようとしている。そのため、経年による劣化を把握すべく、定期的な保守点検が義務付けられている。
同大学院では、インフラ内部の欠陥の数、形、座標といった立体的情報の取得に空間周波数と多層畳み込みオートエンコーダーを用いている。そのうち、空間周波数の取得に活用したのが、Hexagonの3つのソフトウェアだ。
MSC Apexは、作成したコンクリート3Dモデルにランダムに欠陥を挿入し、50Hz一定のレーザー荷重のシミュレーションを設定する。MSC Nastranがレーザー荷重によって起こる反射音のデータを基に周波数応答解析を実行。Actran PLTViewerは周波数応答のファイルを出力し、データを可視化する。
データはCSV形式で保存。また、使用したソフトウェア3点は、全て自動化できるため、同大学院は多層畳み込みオートエンコーダーに用いる空間周波数のデータを容易かつ効率良く作成できた。
社会インフラの点検法として、従来の打音法に代わって、レーザーを用いてコンクリートをたたき、反射音から内部の空隙の有無を調査する「レーザー打音法」の開発が進められている。しかし、この方法では表面から見て内部欠陥がどの位置にあるかしか分からない。
同大学院が作成した空間周波数データを多層畳み込みオートエンコーダーに使用したところ、立体構造物の内部状況を大まかに推定できることが分かった。今後、複雑な形状の推定ができるか検討するため、再度データを作成する。
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