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宇宙ごみ除去のアストロスケールが創業10周年「次の10年で宇宙を持続可能に」宇宙開発(2/3 ページ)

アストロスケールが宇宙の持続可能な利用に向けたスペースデブリ除去をはじめとする同社の事業について説明。2023年で創業10周年を迎える同社は、JAXAや衛星通信サービスを提供するOneWebなどとの契約を締結するなど着実に事業を拡大している。

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4つの軌道上サービスを提供、OneWebやJAXAなどと契約

 アストロスケールは、衛星運用終了時の除去を行う「EOL」、既存大型デブリを除去する「ADR」、燃料補給などにより宇宙機の寿命を延長する「LEX」、観測/点検を行う「ISSA」という4つの軌道上サービスの提供を目指している。

アストロスケールの4つの軌道上サービス
アストロスケールの4つの軌道上サービス[クリックで拡大] 出所:アストロスケールホールディングス

 EOLについては、2021年3月〜2022年4月にかけて世界初のデブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」を用いて、非協力物体へのRPO(分離、誘導接近、捕獲)技術の実証に成功している。この実績を基に、1機で複数のデブリ除去を行える「ELSA-M」を開発中で、顧客であるOneWebとともに2024〜2025年に実証を行う計画だ。「この実証を完了した後、2026年から商用サービスを開始できると考えている。既にOneWeb以外の企業からも問い合わせが入っている状況だ」(岡田氏)。

「ELSA-d」の概要非協力物体へのRPO技術実証の概要 「ELSA-d」(左)と非協力物体へのRPO技術実証の概要(右)[クリックで拡大] 出所:アストロスケールホールディングス

 磁石を使ったドッキングプレートを用いるEOLとは異なり、メカニカルアームによってデブリを捕獲して除去するADRについては、日本のJAXAや英国と契約を締結している。JAXAとは、商業デブリ除去実証プロジェクトのPhase1でH2Aロケットなどの上段部分の観察を行い、実際のデブリ除去を行うPhase2ではフロントローディング技術検討契約としてメカニカルアームの開発を請け負っている。Phase1に用いる衛星「ADRAS-J」は開発中で、2023年3月末までにニュージーランドから打ち上げ予定である。「ADRAS-Jの成果を基に、Phase2でも衛星本体の開発まで含めた『ADRAS-J2』としてデブリ除去に関われるようにしたい」(アストロスケール日本法人 代表取締役の伊藤美樹氏)。

「ADRAS-J」の3分の1サイズの模型
「ADRAS-J」の3分の1サイズの模型[クリックで拡大]

 この他LEXについても、イスラエル企業の買収により燃料補給を行うペイロードアダプターの技術を入手するとともに、JAXAとの間で協創契約を結んでいる。

アストロスケールの技術開発ロードマップ打ち上げミッション予定 アストロスケールの技術開発ロードマップ(左)と打ち上げミッション予定(右)[クリックで拡大] 出所:アストロスケールホールディングス

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