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モデリングツールとしての「Modelica」(その2)1Dモデリングの勘所(14)(3/3 ページ)

「1Dモデリング」に関する連載。前回に引き続き、機械系の1Dモデリングで用いられる業界標準の表現言語「Modelica」について説明する。連載第14回では、オープンソースの「OpenModelica」のインストール手順、OpenModelicaのGUI画面構成について紹介する。続いて、振動モデルを例に、テキストベースでモデリングを行い、シミュレーションを実行し、シミュレーション結果を表示する一連の手順を取り上げる。

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シミュレーションの実行と結果の表示

 OMEditのテキストビューにコード2を入力する。コード入力後、[シミュレーションのセットアップ]をクリックし、問題がなければ「シミュレーションのセットアップ」画面が開く。初期画面では、計算終了時刻は1になっているが、ここでは50に変更する。この過程で新規作成の場合、ファイルのsave(保存)を要求されるので、その指示に従ってsaveする。この際、save先のフォルダ名に2バイト文字(日本語)が含まれていないことを確認されたい。

 図8に示すセットアップ画面で上記入力後、「シミュレーションのセットアップ」画面の[OK]ボタンを押すと計算が実行される。

「シミュレーションのセットアップ」画面
図8 「シミュレーションのセットアップ」画面[クリックで拡大]

 計算が正常に終了すると、図9に示す「シミュレーション結果の表示」画面が表示される。

「シミュレーション結果の表示」画面
図9 「シミュレーション結果の表示」画面[クリックで拡大]

 図9右側の画面に、変数名およびパラメータ名が表示されるので、結果をプロットしたい項目にチェックマークを入れる。ここでは、変位x、速度v、加速度aにチェックを入れた。そうすると、図9中央のプロット画面に結果が時刻歴表示される。グラフの線の色、太さ、フォント、縦軸横軸の表示範囲などは[setup]をクリックすることにより変更できる。また、図9右側の画面内の各変数、各パラメータにはコード2で定義したSI単位が表示されるとともに、パラメータ宣言の際のコメントが反映表記されている。

補足:
 今回対象とした振動モデルでは、数学関数は出てこなかったが、Modelicaでは表1に示す数学関数が準備されている。表1の左側がコード入力時の数学関数の表記、表1の右側がその説明である。

Modelicaで使用できる数学関数
表1 Modelicaで使用できる数学関数[クリックで拡大]



 次回は、Modelicaの基礎知識について説明するとともに、Modelica標準ライブラリ(MSL)を用いたモデリング方法を紹介する。 (次回へ続く

⇒連載バックナンバーはこちら

筆者プロフィール:

大富浩一(https://1dcae.jp/profile/

日本機械学会 設計研究会
本研究会では、“ものづくりをもっと良いものへ”を目指して、種々の活動を行っている。1Dモデリングはその活動の一つである。


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