100km以上離れた拠点間での遠隔手術を可能にする実証実験を開始:医療機器ニュース
日本電信電話とメディカロイドは、手術支援ロボット「hinotoriサージカルロボットシステム」とIOWNオールフォトニクスネットワークを接続し、離れた拠点間を1つの手術室のように統合して環境共有する実証実験を開始した。
日本電信電話(NTT)は2022年11月15日、今後普及が予想される遠隔手術について、メディカロイドと共同実証を開始したと発表した。メディカロイドの手術支援ロボット「hinotoriサージカルロボットシステム」とIOWNオールフォトニクスネットワーク(APN)を接続し、離れた拠点間を1つの手術室のように統合して共有する。
今回の共同実証では、NTT武蔵野研究開発センタ内に、転送距離120kmで、大容量、低遅延、遅延ゆらぎほぼゼロのAPN実証環境を構築。この環境下でhinotoriサージカルロボットシステムに接続し、遅延ゆらぎほぼゼロでのロボット制御、超低遅延で高セキュリティな映像伝送による手術環境の共有、手術室の機械音を除去する技術などを実証する。
具体的には、1波長当たり100Gbps以上の大容量、かつ遅延ゆらぎほぼゼロの光伝送パスにより、通常の手術と変わらない動きでの遠隔操作を可能にする。また、手術支援ロボット以外の情報を8Kの超高精細映像で送り、長距離かつ超低遅延のリアルタイムコミュニケーションを実施。クリアな会話を可能にするため、阻害要因となる手術室の機械音などを除去する技術を実証する。送受信データは、耐量子計算機暗号技術で交換した暗号鍵により暗号化し、高いセキュリティを確保する。
両社は今後、これらの実証を継続して実施する他、遠隔手術支援のフィールド実証を共同で進める。
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