経営指標を迅速に可視化、油脂製造メーカーがインフォアのクラウドERP導入:製造IT導入事例
インフォアジャパンの食品飲料業界向けクラウドERP「Infor CloudSuite Food&Beverage」をミヨシ油脂が導入する。同ERPの業界標準機能により、業務が高度化し、他のクラウドサービスと連携して多様な経営指標を迅速に可視化できる。
インフォアジャパンは2022年11月2日、同社の食品飲料業界向けクラウドERPソリューション「Infor CloudSuite Food&Beverage」の導入を、ミヨシ油脂が決定したと発表した。
ミヨシ油脂の基幹業務システムは、既存の業務に合わせた部分最適化により、変化に柔軟に対応できず、経営構想に基づいた全体の最適化が困難な状態にあった。また、メインフレームに構築した同システムの維持、運用のための人材リソースが必要であること、確定情報しか可視化されず、経営判断などに必要な予測値などをリアルタイムに得られないといった課題があった。
こうした課題を解決するため、業務プロセスの全体最適化が可能な基幹システムへと移行して、さらに運用に必要なリソースが最小限で済み、システム標準機能に業務を合わせる、いわゆるFit to Standardのアプローチを取ることを決定した。
検討の結果、食品業界向けの標準機能が豊富で、アジャイルによる導入手法やツールが整っていること、クラウドベースであることなどが決め手となり、Infor CloudSuite Food&Beverageを採択した。2024年1月から全拠点を対象に、段階的に稼働を開始させる。
Infor CloudSuite Food&Beverageへの移行後は、同ソリューションが搭載する業界標準機能により、業務の高度化が図れる。また、他のクラウドサービスと連携してさまざまな経営指標を迅速に可視化できるため、システムの運用、更新コストの削減にもつながる。
ミヨシ油脂は将来的に、生産部門のセンサーから収集したデータをインフォアのクラウドERPに集約し、IoT(モノのインターネット)技術を用いたスマートファクトリーを構築するとしている。
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