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グローバル生産は3カ月連続で前年越え、2019年比では2桁パーセント減自動車メーカー生産動向(1/2 ページ)

2022年8月の自動車生産は、乗用車メーカー8社全ての国内生産・海外生産がプラスとなった。ただ、前年8月が東南アジアのロックダウンによる世界的な部品調達難で大幅減産した反動増によるもので、コロナ禍前の2019年8月との比較では2桁パーセント減であり、本格回復とは言い難い。

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 2022年8月の自動車生産は、乗用車メーカー8社全ての国内生産・海外生産がプラスとなった。ただ、前年8月が東南アジアのロックダウンによる世界的な部品調達難で大幅減産した反動増によるもので、コロナ禍前の2019年8月との比較では2桁パーセント減であり、本格回復とは言い難い。ロックダウンが解除された中国をはじめ、主要市場である北米などで回復しているものの、半導体をはじめとした部品の供給不足による影響は依然として続いている。

 メーカー各社は下期にかけて挽回生産を計画していたが、足元では下方修正が相次いでおり、半導体など部品の供給不足が解消する様子は依然として見えてこないのが実情だ。

→「自動車メーカー生産動向」のバックナンバーはこちら

 日系乗用車メーカー8社が発表した2022年8月の世界生産台数の8社合計は、前年同月比32.0%増の203万7803台と3カ月連続で前年実績を上回った。国内生産は同23.1%増の55万1799台で、13カ月ぶりにプラスへ転じた。前年8月は、ベトナムとマレーシアのロックダウンによる部品調達難で各社が稼働を停止した他、マツダは大雨で稼働停止を余儀なくされたなど、反動増による影響が大きい。

 海外生産は同35.7%増の148万6004台と4カ月連続で増加した。北米が同25.0%増、中国が同45.9%増と主要市場がそろって回復した。

2022年8月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 196,038 570,645 188,999 166,746 766,683
5.6 65.1 24.6 99.9 44.3
ホンダ 43,827 303,834 121,918 128,631 347,661
84.2 21.3 10.1 46.9 26.7
日産 44,829 243,389 94,708 101,125 288,218
19.9 7.2 35.1 1.9 9.0
スズキ 71,437 184,610 - - 256,047
27.3 32.4 - - 31.0
ダイハツ 58,746 76,674 - - 135,420
12.8 57.8 - - 34.6
マツダ 61,372 31,052 18,440 4,407 92,424
118.3 72.8 150.2 ▲ 44.6 100.5
三菱 33,425 49,948 - 4,937 83,373
9.3 9.1 - 32813.3 9.2
スバル 42,125 25,852 25,852 - 67,977
12.3 29.1 29.1 - 18.1
合計 551,799 1,486,004 449,917 405,846 2,037,803
23.1 35.7 25.0 45.9 32.0
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計

トヨタ自動車

 メーカー別に見ると、トヨタ自動車の8月のグローバル生産台数は、前年同月比44.3%増の76万6683台と5カ月ぶりに前年実績を上回り、8月として過去最高を更新した。ただ、トヨタは年初の生産計画では85万台としており、半導体不足などの影響のため7月中旬時点で70万台へ下方修正していた。

 大幅増をけん引したのは海外生産だ。前年同月比65.1%増の57万645台と4カ月連続のプラスで、8月として過去最高を更新した。地域別では、北米は前年8月に稼働を停止していたことや生産能力の増強により同24.6%増と5カ月ぶりにプラスへ転じた。中国もロックダウン解除の影響や生産車種の最適化などにより、同99.9%増と4カ月連続で増加。東南アジアも前年のロックダウンの反動により、タイやマレーシア、ベトナムなどが前年比3倍超と大幅に伸長した結果、アジアトータルでも同105.3%増と倍増した。欧州も前年の反動増と「ヤリス」の販売好調を受けて、同167.6%増と高い伸びを見せた。

 国内生産は、前年同月比5.6%増の19万6038台と6カ月ぶりに前年実績を上回った。ただ、前年8月が低迷した反動増の結果であり、国内工場では半導体不足による稼働停止が相次ぎ、多くの車種で納期が長期化している。また、新型EV(電気自動車)「bZ4X」はハブボルトの不具合により生産を停止した。

ホンダ

 ホンダの8月のグローバル生産台数は、前年同月比26.7%増の34万7661台で3カ月連続のプラス。国内生産は、同84.2%増の4万3827台と大幅に増加し、2カ月ぶりのプラス。これは前年8月が部品調達難により前年比半減近くまで生産を絞っていたことの反動によるもので、8月も鈴鹿製作所などで稼働調整を実施した。なお、21年10月から受注を停止していた「ヴェゼル」の上級グレード「PLaY」は、8月25日から9月8日まで期間限定で受注を再開した。

 海外生産は、前年同月比21.3%増の30万3834台と3カ月連続で増加した。ロックダウンが解除された中国は同46.9%増と回復が続いており、3カ月連続のプラス。アジアトータルでも同36.9%増と3カ月連続の増加となった。長らく部品の供給不足で低迷していた北米も同10.1%増と15カ月ぶりにプラスへ転じた。

日産自動車

 日産自動車の8月のグローバル生産は、前年同月比9.0%増の28万8218台と2カ月連続のプラス。国内生産は「エクストレイル/ローグ」の好調などにより、同19.9%増の4万4829台と4カ月連続で前年実績を上回った。輸出も同43.7%増と大幅に増加した。

 海外生産も、前年同月比7.2%増の24万3389台と2カ月連続で増加した。国別では米国が同156.8%増と大幅に伸長し7カ月連続でプラスとなったが、メキシコは同25.0%減と振るわなかった。英国も同35.8%減と低迷。ロックダウンが解除された中国は同1.9%増と2カ月連続でプラスとなった。

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