DMG森精機の専用ポータルに新サービス、パーツセレクターとチャットボットを開始:FAニュース
DMG森精機は、ユーザー専用ポータルサイト「my DMG MORI」の新サービスとして、「パーツセレクター」「チャットボット」の提供を開始した。Web上のパーツリストからユーザーが直接注文でき、操作や不具合の質問にAIが自動回答する。
DMG森精機は2022年10月4日、ユーザー専用のポータルサイト「my DMG MORI」の新サービスとして、「パーツセレクター」「チャットボット」の提供を開始した。
デジタル上の図面から直接選択
my DMG MORIは、マニュアルや図面、修理履歴、パーツ購入履歴といったアフターサービス情報をユーザーと共有し、機械のより効率的な使用や不具合の早期解決を目指すポータルサイトだ。
今回提供を開始した2つの新サービスのうち、パーツセレクターは、my DMG MORIの「サービスリクエスト」の追加機能となる。
機械購入時には、これまで機械図面やスペアパーツの番号を掲載した紙のパーツリストを提供していた。パーツセレクターは、ユーザー自身がデジタル上でパーツリストの図面から消耗品、DMQP品(同社認定周辺機器)を直接選択し、簡単にミスなく注文できる。
過去の購入履歴からの注文にも対応できるほか、在庫状況やユーザー価格(定価)も確認可能で、注文を迅速に判断できる。同社によると、Web上のパーツリストからユーザーが直接注文できるサービスは、工作機械業界初となる。
今後、消耗品の交換時期を知らせる機能など、より便利に利用できるよう機能を改善する。
機械操作や不具合などの疑問にAIが回答
チャットボットは、ユーザーの機械操作、修理、復旧を支援するサービス。チャットに機械操作や不具合などに関する質問を入力すると、AI(人工知能)が内容を解析し、自動で回答する。これまで修理復旧センターへの問い合わせには電話で対応していたが、チャットボットではすぐに回答を確認できる。なお、チャットボットは、PCに加え、スマートフォン、タブレット端末での操作にも対応する。
さらに、ユーザーの機械に発生した不具合について、同社が蓄積する過去の不具合、修理履歴データから原因を推定する機能も実装。不具合原因に見当がつかない場合も、機械の稼働状況を入力すると、想定される不具合箇所が提示されるため、原因調査に活用できる。
回答を確認後、同社による出張修理が必要な場合は、my DMG MORIサービスリクエストに、チャットへの入力内容や回答が自動連携されるため、修理復旧センターへの問い合わせが容易になる。同社は今後、回答データを随時学習させて、より多様な質問に回答できるよう、チャットボットを進化させていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スマート工場化は次段階へ、AI活用の定着とアプリケーション拡大に期待
スマート工場化の動きは着実に広がっている。その中で2022年はAIを活用した「アプリケーションの拡大」をポイントにデータ活用のさまざまな形が広がる見込みだ。 - 進む製造機械の「知能化」、学習済みAIを搭載する動きが拡大へ
AI(人工知能)の活用が広がりを見せている。こうした中で、新たな動きとして定着が進んでいるのが、工作機械や射出成形機など、製造機械へのAI機能の組み込みである。2022年はこうした動きがさらに加速し、AIの学習までを機械メーカーが担って出荷する動きが進む見込みだ。 - 進む産業機械のスマートフォン化、標準化とオープン化がカギに
スマート工場化が進む中、工場内の生産機械や設備にも生産情報や設備情報などを活用するために「つながる」ことが求められるようになってきている。こうした環境に合わせる形で、生産機械についても協調領域については「水平分業型」へのシフトが加速する見込みである。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。 - DMG森精機が第2本社の奈良商品開発センタ公開、DX構築など行うグループ最大の最先端研究開発拠点
DMG森精機は2022年8月29日、奈良県奈良市に建設して同年7月1日から稼働している奈良商品開発センタを報道陣に公開した。同社は奈良商品開発センタの稼働を機に、本社を愛知県名古屋市から奈良商品開発センタに移転した。 - 24時間以内発送率95%以上で部品保有点数は1.5倍に、DMG森精機の新パーツセンター
DMG森精機は2019年7月9日、同社伊賀事業所内の工場建屋をリニューアルして整備した「グローバルパーツセンタ」の開所式を開催した。最新鋭の高層自動ラック倉庫を導入し、倉庫管理システムによるピッキングなどの自動化を徹底。24時間発送率95%以上を維持した上で移転前に比べて部品保有点数を1.5倍に拡張できたという。