補修やコーティングにバイメタルも、ニーズ広がる金属3Dプリンタ:Formnext Forum Tokyo 2022
DMG森精機は積層造形技術の見本市「Formnext Forum Tokyo 2022」において、5軸マシニングセンタにAM(金属3Dプリンタ)機能を組み込んだレーザー金属積層造形機「LASERTEC 65 DED hybrid」による造形部品などを展示した。
DMG森精機は積層造形技術の見本市「Formnext Forum Tokyo 2022」(2022年9月27〜28日、東京都立産業貿易センター 浜松町館)において、5軸マシニングセンタにAM(金属3Dプリンタ)機能を組み込んだレーザー金属積層造形機「LASERTEC 65 DED hybrid」による造形部品などを展示した。
切削から仕上げまで金型の補修を1台で完結
DMG森精機では、金属の材料粉末とレーザを同時に当て、溶融、積層するDED(パウダーノズル、Direct Energy Deposition)方式と、金属粉末を敷き詰めレーザーで造形部分の溶融、凝固を繰り返すSLM(パウダーベッド、Selective Laser Melting)方式の2種類を用いた製品を展開している。
DED方式は、金型の補修に使われることも増えているという。従来、金型を補修する際は切削加工で破損した箇所を削り、肉盛り溶接をし、熱処理や仕上げ加工をするなど、いくつもの工程を経ていた。それらを1台で完結することができるため、リードタイムの短縮につながる。「われわれの製品では切削、積層、モデリングなども全て1つのソフトウェアででき作業者も少なくなる」(説明員)。
コーティング用途の引き合いも広がっているという。これまではクロムメッキなどを用いて金属の耐摩耗性を高めていたが、該当部分に硬い素材を積層造形することで同様の機能を発揮させる。「メッキだとある程度の量が集まらないとできないケースもあるが、積層造形なら1個から対応できる。われわれも、メッキから置き換えられないか社内部品で検証している」(説明員)。
また、異種の金属を組み合わせたバイメタルのダイカスト金型を展示した。成形面は高硬度の素材で、内部は熱導電率が高い銅合金で造形しており、従来の金型より高い冷却機能を持っている。パウダー供給装置から異なる金属材料粉末を切り替えて供給することができるため、ワイヤDED方式のようにワイヤを換える必要なくバイメタルを実現する。「金属3Dプリンタならではのバイメタルも、ワンチャックで作ることができる」(説明員)。
2021年には新製品「LASERTEC 3000 DED hybrid」を投入しており、幅広いラインアップを用意している。「もともと複合加工機を手掛けており、仕上げを見越した積層方法をご提案できる。DED方式もSLM方式も扱っているため、金属3Dプリンタに取り組みたいけれどよく分からないという方にはどちらが適しているかご案内する」(説明員)。
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