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荷振れを抑制するクレーンの自動化技術を開発、強化学習を応用:人工知能ニュース
DeepXとタダノは、AI技術を活用し、荷振れを抑制するクレーンの自動化技術を開発した。強化学習を応用したアプローチを用いて、荷振れの制御アルゴリズムを構築している。
DeepXとタダノは2022年9月5日、AI(人工知能)技術を活用し、荷振れを抑制するクレーンの自動化技術を開発したと発表した。
クレーンで荷物を吊りながらブームを旋回し、目的地の真上で停止した場合、振り子の原理による吊り荷が振れる「荷振れ」が生じる。両社は、強化学習を応用したアプローチを用いて荷振れの制御アルゴリズムを構築した。
シミュレーションデータや実機の設計値を基に、制御アルゴリズムを学習させて最適化することで、荷揺れを抑えながら吊り荷を正確に移動可能になる。
実際の現場では、周囲の作業員の安全を確保するため、荷振れを迅速に止める必要がある。しかし、経験豊富なオペレーターでも、素早く停止させるのは難しいとされていた。
今回の取り組みでは、クレーンの旋回や起伏、ウインチ操作を用いた吊り荷搬送の荷振れを一定程度軽減した。両社は今後、より複雑なクレーン操作の自動化に向けたさらなる技術開発や、さまざまな産業におけるクレーンへの社会実装を目指す。
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