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機械学習活用のAIシステム運用に欠かせない「MLOps」とは何か人工知能ニュース(1/2 ページ)

東芝は2022年4月20日、同社のAI技術を紹介するセミナーの中で、企業が機械学習を用いたシステムを導入した後、同システムを継続的に改善していく「MLOps」について解説した。MLOpsの基礎知識から、実施する際の留意点などを解説した。

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 東芝は2022年4月20日、同社のAI(人工知能)技術を紹介するセミナーの中で、企業が機械学習を用いたシステムを導入した後、同システムを継続的に改善していく「MLOps」の基礎知識や、実践する際の留意点などについて解説した。

精度劣化などの対策を講じる

 MLOpsはビジネス、機械学習の専門家、システム開発担当者、システム運用担当者が一体のチームとなり、企業に導入した機械学習を採用したAIシステムの継続的な改善に取り組むことを指す。

 AIシステムは精度低下が生じ得る。このためシステムの運用チームはAIシステム運用の傍ら、AIモデルの精度劣化が生じていないかなど、定期的にモニタリングして、問題があればAIモデルの再学習を行う。その後、再学習したAIモデルを古いモデルと置き換え(デプロイ)、現場に再び適用することになる。一連の流れは、「モデルのライフサイクルマネジメント」とも呼ばれるという。

 AIモデルの精度劣化が生じる要因としては、AIモデル作成時と最新の現場環境の間に乖離(かいり)がある場合が挙げられる。例えば、冬場の気温下で特徴量を学習したAIモデルの場合、夏場に精度が低下する可能性がある。また、製造装置の部品交換などによって、装置の特性変化が生じるといった要因も考えられる。このため、モニタリング担当者は現場環境に精通した人間が担当することが望ましい。


精度低下など問題が生じていないかモニタリングする[クリックして拡大] 出所:東芝

 また、東芝 研究開発センター 知能化システム技術センター AI基盤技術開発部 シニアマネージャーの西澤実氏は、担当者が付きっきりでモデルの精度を把握することは難しいため、あらかじめ定めたメトリクスの変化を基に自動的にアラートを通知する仕組みを構築することを推奨する。例えば、画像検査であれば、不良品の検出率が低下し、良品の検出率に一定以上近づいてきたら、システム運用担当者に警告するという具合だ。


自動的にアラートを発報する仕組みづくりを[クリックして拡大] 出所:東芝

 実際にアラートを出す基準に関しては、現場担当者とシステム運用担当者の間であらかじめ定めておく。また、現場担当者がシステム運用担当者からKPI(重要業績評価指標)の達成率や、運用の中での気付きを報告してもらい、それを受けて必要なアクションを検討するといった体制づくりも大切である。


現場と気付きを共有する[クリックして拡大] 出所:東芝

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