オーディオ信号でステッピングモーターを回す【前編】:注目デバイスで組み込み開発をアップグレード(5)(3/3 ページ)
注目デバイスの活用で組み込み開発の幅を広げることが狙いの本連載。第5回からは前後編で、オーディオ信号でステッピングモーターを回す実験に挑戦する。今回の前編では、ステッピングモーターをオーディオ信号で成業するメリットや、実験回路の詳細について説明する。
回路図
図3は今回の実験回路になります。DTMFデコーダーから右側の部分は、冒頭で紹介した筆者の過去の連載記事と変わらず、トランジスタの型番や抵抗の値なども同じです。ただし、以前はArduinoだった部分がDTMFデコーダーに置き換わっています。
動作確認
動作確認には、何らかの方法でDTMFに基づく周波数で音声を出力する機器が必要です。PCで実験するなら、Webブラウザで動作するインターネット上のサービスを利用するのがお手軽でしょう。検索で“DTMF Tone Generator”などのキーワードで検索すると適当なサービスが見つかると思います。
まずはDTMFデコーダー単体でテストしてみましょう。デコーダーモジュールの基板上にq1、q2、q3、q4に対応するLEDが並んでいますのでそれらが送出したダイヤルトーンに正しく反応しているか確かめてみてください。どのシンボルを送出したときにどのLEDが点灯するかは、表2に挙げたDTMFデコーダーの対応表を参考にしてください。
おわりに
今回の前編で一気にステッピングモーターを回すところまでを説明したかったのですが、なぜ今DTMFなのか、またオーディオ信号でアクチュエーター系のデバイスを制御することの面白さを伝えたくて「はじめに」のところで文字数を費やしてしまいました。次回の後編では、実際にステッピングモーターを回した上で、さまざまな実験の結果も報告したいと思います。
DTMFは決して新しい技術ではありませんし、むしろ半世紀前からある枯れた技術です。本連載では、今後も新旧織り交ぜて技術やデバイスを紹介していきたいと思いますのでご期待ください!
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