小型化により狭小スペースでも走行、市販テープでコース設定可能:無人搬送車
リコーエレメックスは、狭小スペースや多様なレイアウトに対応して走行可能なAGV「RICOH AGV 3000L」「RICOH AGV 3000T」を発表した。小回りの利く走行や、黒色ビニールテープを使った簡単なコース作成ができ、省人化やコスト削減に貢献する。
リコーエレメックスは2022年9月5日、狭小スペースや多様なレイアウト、荷物の形状に対応して走行可能なAGV(無人搬送車)の新モデル「RICOH AGV 3000L」「RICOH AGV 3000T」を発表した。発売は同年10月20日を予定する。
前モデルに比べて小型化しており、通路幅が狭い現場でも小回りを利かせて走行できる。既存レイアウトに応じてカスタマイズがしやすく、大幅な設備変更を必要としない。倉庫管理や生産管理などの上位システムと連携した走行管理が可能で、工程全体のコスト低減が期待できる。
搬送ルートの認識手法として光学式を採用し、市販の黒色ビニールテープでコースを作成できる。磁気式と比較してラインの敷設費用を抑えられ、現場に合わせた柔軟なコースの作成や修正、変更が可能だ。最大積載重量は200kg、最高速度は60m/分で人の歩行と同じ速さで搬送できる。
搬送物との連結部分はカスタマイズしやすい構造で、周辺設備との連携も可能だ。AGVから直接、コンベヤーに移載することもできる。搬送部は、標準品の他にカスタマイズした形状での納品にも対応する。
車体寸法(突起物除く)はRICOH AGV 3000Lが400×1017×240mm、RICOH AGV 3000Tが400×1017×600mm、最大積載重量はそれぞれ200kg、30kgとなる。走行方向は前進、後進(直進)、回転に対応し、最少旋回半径は600mmとなっている。
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