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関西の画像IoT開発拠点から生まれる新技術、らしからぬ事業創出も続々製造業IoT(2/3 ページ)

コニカミノルタは画像IoT(モノのインターネット)基盤「FORXAI」の研究開発拠点「Innovation Garden OSAKA Center」(大阪府高槻市)を報道陣に公開し、FORXAIを活用した多数のソリューションを紹介した。

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未来ファクトリー実現に向けた取り組み

 コニカミノルタでは2030年のモノづくりの在り方として、「人と機械が共存する安心、安全ファクトリー」と「多品種小ロット生産を実現する自律型デジタルジョブショップ」という2つの定義からなる「未来ファクトリー」を構想している。

 未来ファクトリー実現に向けて、NECと共同で5Gを活用したAMR(自律移動ロボット)の高効率自動制御システムの開発を進めており、IGOCではAMRが障害物に模した段ボール箱を迂回しながら、部品を多関節ロボットの元へ運び、ロボットが組み上げていくデモンストレーションを見ることができる。

 これは、AMRに搭載されたカメラの映像から、FORXAIの物体検出アルゴリズムを用いて数m先の障害物を検出し、迂回ルートを設定している。AMRやAGV(無人搬送車)に使われるLiDAR(Light Detection And Ranging)では障害物の直前で検知するため、より効率的なルートを走行できる。現在、顧客企業とPoC(概念実証)を進めており、自社工場でも検証を進めているという。


未来ファクトリー実現に向けた高効率自動制御システムの展示[クリックして拡大]

 近年、国内のプラントでは設備の老朽化に加え、熟練保全員の減少により、事故の危険性が増している。

 コニカミノルタは独自の画像処理技術で炭化水素系ガスを見える化する、ガス監視ソリューションを提供している。赤外線カメラでガスの漏えいを捉え、可視の映像上でカラーマップ化して表示し、漏えい箇所を直感的かつ迅速に特定する。

 ガスは空気中を帯状に漂う。通常のガス検知器はその帯が当たることでガスを検出するが、そこから漏えい源を特定するのは風の影響もあって難しい。そこで広い範囲を常時監視することで、作業を大幅に効率化する。人などに反応した誤報を避けるため、画像処理を行った数十秒遅れの映像が表示される。赤外線カメラと可視カメラの映像は切り替えはワンタッチで可能と、操作も簡単だ。

 1台で広範囲を常時監視できるパンチルト型カメラと、日常点検や災害発生時のスクリーニングを効率化するハンディ型カメラの2タイプがある。


ガスの見える化のイメージ[クリックして拡大]

画像手前がハンディ型カメラ、奥がパンチルト型カメラ[クリックして拡大]

 独自のX線タルボ・ロー撮影装置を用いた受託撮影サービスも行っている。X線の吸収、屈折、散乱を画像化して、通常のX線撮影装置では見えない内部構造を可視化し、複合的な非破壊検査が可能となる。当初はリウマチの検査など医療用途を想定していたが、現在は産業用に展開している。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)や試作品、成形品を検査する用途での提案を強めているという。

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