加湿器大手のダイニチ工業が空気清浄機に再参入、なぜ加湿機能を付けないのか:イノベーションのレシピ(2/2 ページ)
ダイニチ工業が空気清浄機市場に再参入する。同社は家庭用石油ファンヒーターや加湿器の大手メーカーだが、2007年に撤退してから15年ぶりに空気清浄機の新製品を投入する。集じん力と静音性能、手入れの容易さを実現する、フィルター式と電気集じん式を組み合わせたハイブリッド式空気清浄機「CL-HB922」を2022年10月1日に発売する。
ハイブリッド式だから大風量を確保できる
ハイブリッド式の空気清浄機能は、静電NEOHフィルターによるフィルター式とプラズマユニットによる電気集じん式で構成される。静電NEOHフィルターは、風が通りやすく静音性に優れた不織布フィルターであり、プラズマユニットも金属板の間隔が広く、風が通りやすい構造になっている。単一方式で空気清浄機能を実現する場合、フィルターの目が細かくなったり、プラズマユニットの金属板の間隔が狭くなったりして、風が通りやすくならず大風量を確保できない。
また、ハイブリッド式では、帯電させることで汚れ微粒子がフィルターに付着しやすくなり、単一方式と遜色なくしっかりと汚れを取るというメリットもある。さらに、ウイルスよりも小さい直径0.03μmの浮遊微粒子を捕集できる性能も確認している。静電NEOHフィルターとプラズマユニットが一体になっている構造を利用して、プラズマ放電により発生した低濃度オゾンでユニットとフィルターのウイルスを抑制する機能「NEOHリフレッシュ」も利用できる。
2つ目の特徴の「カンタンお手入れ」では、ハイブリッド式の空気清浄機能の前段に設置している、大きなほこりや髪の毛などを捕集するプレフィルターが大きな役割を果たしている。空気清浄機の汚れの約75%はプレフィルターで捕集されるため、手入れの大部分をプレフィルターが占めている。CL-HB922では「カンタン取替えプレフィルター」を用いて、汚れに触れることなくプレフィルターを捨てられ、新しいプレフィルターも簡単にセットできる構造とした。交換の目安は4カ月に1回だ。
また、ハイブリッド式の空気清浄機能を構成する静電NEOHフィルターの交換、プラズマユニットの洗浄、空気清浄機能の後段に設置する活性炭脱臭フィルターの交換は、2年に1回で済むようになっている。
3つ目の特徴の「静かな運転音」は、風の流れを妨げないタワー構造に加えて、大風量で素早く空気清浄を行った後、15dBと静かな弱運転モードで長時間を動作させる運転構成によって実現した。騒音や振動の原因となるターボファンについても、振動音を抑える特許出願中の技術を開発して対応している。
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