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早大発スタートアップが狭い場所でも作業できる研究開発者向けロボット販売:産業用ロボット
東京ロボティクスは狭い場所でも作業が可能な移動マニピュレーター「Tolon」の販売を開始したと発表した。
東京ロボティクスは2022年8月10日、狭い場所でも作業が可能な移動マニピュレーター「Tolon」の販売を開始したと発表した。
非対称の腕配置と全方位移動台車を備え、電動車いす程度のフットプリントで動き、狭い場所でも作業が行える。高さは1830mm、本体重量は約145kgで、多くの作業が可能な6kg可搬となっており、床面0.1〜2.1mまでの低所から高所までリーチする。
腕は6軸、胴体は2軸、首は2軸、足回りは4軸の構成になっており、人に近い可動域で作業する。ROS(Robot Operating System)に対応しており、ユーザー作成のソフトウェアとの連携が容易になっている。また、センサーレスインピーダンス制御に加えて、手先力覚センサー(オプション)により高精度な手先力制御が可能となる。
Tolonが動く様子[クリックで再生] 出所:東京ロボティクス
移動マニピュレーターは次世代の自動化手段として期待されているが、現在販売されている製品は既製の移動ロボットとロボットアームの組み合わせがほとんどで、全身が統合的に設計された製品が少なく研究開発が捗らないという声があったという。
Tolonは自律移動と画像認識を組み合わせたマニピュレーションを行う次世代自律ロボットの研究開発や、物流におけるマテハン作業、工場内の短距離搬送、警備、見回りなどを自動化するロボットアプリケーションの開発現場での利用を想定している。
東京ロボティクスは最先端ロボットの開発、製造、販売までを行う早稲田大学発のスタートアップで、2015年に創業した。
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