食品産業向けIO-Linkマスター、2出力対応IO-Link近接センサーを同時発売:FAニュース
ifm efectorは食品産業向けのIO-Linkマスターを8月から販売すると発表した。同時に2出力対応のIO-Link近接センサーも発売する。
ドイツのセンサーメーカーのifm efectorは2022年8月4日、食品産業向けのIO-Linkマスターを同月から販売すると発表した。同時に2出力対応のIO-Link近接センサーも発売する。価格はIO-Linkマスターが5万6500〜6万9500円、IO-Link近接センサーが9000円〜1万1400円(いずれも税別)となっている。
IP69K準拠でウェットな環境に対応
IO-Linkマスターは4ポートおよび8ポートで、食品工場などのウェットな使用環境を想定し、高温、高圧水などに対する保護構造IP69Kに準拠している。M12 Lコードコネクターケーブルにより大電流対応も実現、最高2Aの大規模電磁弁およびアクチュエーターを制御できる。
各ポートの電流はPLCで制限できる他、各ポートの電圧、電流を測定して設備に必要とされているエネルギーを判断したり、ERPシステムに伝送して解析したりすることも可能だ。
2出力対応で予兆保全を実装可能に
IO-Link近接センサーは、IO-Linkによるプロセスデータと高速制御可能なスイッチング信号を同時に伝送する。
これにより制御(OT)と監視(IT)のインフラを統合することができ、従来の接点による制御と同時にIO-Linkのプロセスデータ(検出物との距離)を利用して、緩みなどにより現れる微妙な距離の変化から機械の不具合などの早期発見が可能になる。メンテナンスを状態に応じて実施する予兆保全を実装でき、想定外のダウンタイムによるコスト損失を防ぐ。
また、1台でNPN、PNPおよびN.C、N.Oの設定ができ、在庫削減にも貢献する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない IO-Link入門
インダストリー4.0などによりスマートファクトリーをはじめとする工場内IoTが注目を集める中、大きなカギを握る技術として注目度を高めてきているのが「IO-Link」です。製造現場のさらに末端情報を担うセンサーやアクチュエータからの情報取得を可能とするIO-Linkとは何かを、本稿では分かりやすく紹介します。 - いまさら聞けない EtherCAT入門
産業用オープンネットワーク「EtherCAT(イーサキャット)」をご存じだろうか。工場などの産業用オートメーションにおいて、フィールドネットワークのオープン化が進む中、なぜEtherCATの存在感が増しているのか。誕生背景やメカニズム、活用シーンなどを詳しく解説し、その秘密に迫る。 - いまさら聞けないPROFINET入門
イーサネットベースの産業用ネットワークである「PROFINET(プロフィネット)」をご存じでしょうか。工場の高度化が進む中、工場ネットワークのオープン化は加速しており、オープンネットワークであるPROFINETの利用範囲は拡大を続けています。本稿では、PROFINETとは何かを分かりやすく解説し、その強みに迫ります。 - 総菜×ロボット、労働生産性が課題となる食品製造業の自動化には何が必要か
食品製造業が自動化を進めるためには何が必要か――。FAプロダクツは2021年9月30日、東京都内で研究開発に関するメディア向け勉強会を開催。その中で「食品製造の現場における自動化の必要性と事例紹介」をテーマに日本惣菜協会 AI・ロボット推進イノベーション担当フェローの荻野武氏が講演した。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。