ニュース
ロケットの機体や発射設備の強度解析にシミュレーション技術を推進:CAEニュース
構造計画研究所は、インターステラテクノロジズのプログラム「みんなのロケットパートナーズ」へ参画する。超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の機体や発射設備の強度解析を実施し、宇宙産業の発展へ貢献する。
構造計画研究所は2022年7月27日、インターステラテクノロジズが展開するパートナーシッププログラム「みんなのロケットパートナーズ」への参画を発表した。宇宙産業におけるシミュレーション技術の推進により、産業発展への貢献を目指す。
みんなのロケットパートナーズは、宇宙産業を日本の新たな産業に育てるためのプログラムだ。構造計画研究所は同プログラムに参画し、超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の機体や発射設備の強度解析を実施する。
試作機を作る必要があった従来の性能試験から、コンピュータ上でのシミュレーションによる性能試験に変更することで、開発の効率化とコスト削減効果が期待できる。また、ロケットの噴煙が地形に与える影響を解析することで、環境負荷が少ないロケットの開発を支援する。
設計者向けCAEソフトウェアを提供し、製造業の品質や生産性の向上に貢献してきた構造計画研究所は、これまで培ってきたシミュレーション技術や品質リスクマネジメントの知見を活用し、今後の大きな成長が期待される宇宙産業の発展に貢献する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- カシオが電子キーボードの鍵盤構造の変更にCAEを活用、その効果と展望
電子楽器開発で40年以上の歴史を誇るカシオ計算機は、グリッサンド奏法の操作性を維持するために採用してきた旧来の鍵盤構造を見直すべくCAEを活用。新たなヒンジ形状を導き出し、作りやすい鍵盤構造を実現することに成功した。その取り組み内容とCAE活用の展望について担当者に話を聞いた。 - フォークボールはなぜ落ちる? スパコンによる空力解析で謎を初めて解明
野球のピッチャーの決め球、フォークボールはなぜ落ちるのか? これまでボールの回転数が少ないことで自然落下による放物線に近い軌道を描くとされていたが、東京工業大学 学術国際情報センター 教授の青木尊之氏を代表とする研究チームがスーパーコンピュータ「TSUBAME3.0」による数値流体シミュレーションを実施し、その謎を初めて解明した。 - 「富岳」で新型コロナ飛沫の大量計算を実施、感染リスクはどこにある?
理化学研究所のスパコン「富岳」を用い、コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する飛沫の飛散シミュレーションが実施されている。理化学研究所が独自開発する流体シミュレーションソフトウェア「CUBE」による飛散シミュレーションの概要、注目すべき結果などについて、理化学研究所 計算科学研究センター チームリーダー/神戸大学大学院システム情報学研究科 教授の坪倉誠氏に話を聞いた。 - ヤマ発が語る、バイク開発に不可欠な「ほこり入り解析」の新手法とその妥当性
ヤマハ発動機は、オンラインイベント「3DEXPERIENCE CONFERENCE JAPAN 2020 ONLINE」において、「モーターサイクルのほこり入りCFD解析について」と題し、CFDソリューション「PowerFLOW」をモーターサイクル(オートバイ)開発に適用した取り組みについて紹介した。 - シミュレーション主導設計の実現に向けた八千代工業の挑戦
八千代工業は、ダッソー・システムズ主催の「Dassault Systemes User Conference 2019」において、「CATIA、Abaqus、Isightを使った樹脂製燃料タンクの最適設計技術の構築と設計者展開」をテーマに講演を行った。 - 仮想実験室からデジタルツインへ、富岳が実現する自動車業界のCAEの形とは
ヴァイナスのユーザーイベント「VINAS Users Conference 2019」で、理化学研究所 計算科学研究センター・神戸大学大学院システム情報学研究科 計算科学専攻 チームリーダー・教授/博士(工学)の坪倉誠氏が登壇し、「HPCシミュレーションとデータ科学の融合による新たな自動車空力について」をテーマに講演を行った。