MONOist15周年、変化が読めないからこそモノづくりの未来を指し示す役割を:MONOist編集部から(2/2 ページ)
2007年8月1日の誕生から、ついにMONOistは15周年を迎えました。本記事では15年間支え続けていただきました読者や広告主の方々に感謝を述べるとともに、15周年記念読者調査から見る製造業の将来と期待について紹介します。
製造業の未来は「どちらともいえない」
さて、これからの話にも少し目を向けましょう。MONOistは開設時から「モノづくりスペシャリストのための情報ポータル」として、現場の技術者に寄り添い、業務の具体的な改善とともに、先進の技術の変化や製造業の新たな姿について発信してきました。その中で、モノづくりの「今をどうするか」と「将来どういう姿を目指すのか」という両面での発信を重視してきました。
15周年記念読者アンケートでも「製造業の未来についてどのように考えていますか」という質問をしています。その結果としては「明るい」が最も低く、「どちらともいえない」が半数以上を占める結果となっています。
「明るい」とした意見では「世界の製造業はまだ発展の余地があるから」「さまざまな新技術を取り入れながら地道に取り組む姿勢が日本の製造業にはまだまだあると思えるから」「モノからコトへ市場のニーズが変化しても、新しいコトを起こすには新しいモノが必ず必要になるから」などが挙がっていました。
一方で「暗い」とした意見では「日本製品の特長が以前ほどないから」「他国の技術力の向上がめざましいから」「技術だけでは勝てない。日本は商品開発力が弱いから」「レガシーな経営・発想から脱却できていないから」などが挙がっていました。ただ、こうした意見よりも圧倒的に多く「どちらともいえない」が占めているところが、先の見えない現在の状況を強く指し示しているように感じました。
AIやIoT、ロボットを使ったモノづくりの無人化や省人化
ただ、見通しが立たない中でも期待する技術についても数多くの意見がありました。15周年記念読者アンケートでは「10年後を見据えたときに、ご自身の業務領域で期待している技術や実現していたいことがあれば教えてください」という質問を行いましたが、AI関連技術やロボット関連技術についての声が非常に多く挙がっていました。特に人手不足が加速する中、無人化や省力化への期待は非常に大きく、さまざまな技術と関連させた意見が出ています。
また、電池(バッテリー)、自動運転、電動化、無線給電などの技術も挙げられており、自動車分野における技術革新への期待の高さも表れていました。その他では、データ活用技術、量子技術、6G、メタバース、ローコード/ノーコード、エネルギー関連技術などの意見も出ていました。
これらを考えると、まだまだ日本の製造業として新たなモノづくり、新たな製品を生み出す余地というのもまだまだあるように感じます。先行きは見えないかもしれませんが、日本のモノづくりがかつて成し遂げてきたものは非常に大きく、世界的に見ても特殊な立ち位置にあります。そして、その価値を将来にわたって引き継いでいく必要があるとわれわれは考えています。
MONOistは今後もさらに、さまざまな形で「製造業の将来につながる」情報発信を続けていくつもりです。その中で「変えるべきところ」「変えてはいけないもの」を示しつつ、少しでも「製造業の将来が明るい」と感じられるようにしていきたいと考えています。そのためにわれわれも情報発信の在り方を磨き続けていきます。引き続き、MONOistをご愛顧いただきたく、よろしくお願いいたします。
なお、15周年を節目として「15周年記念企画シリーズ」も本稿をはじめとし、2022年10月までの3カ月間展開していく予定です。今回引用した15周年記念アンケートについても以下のページで詳細を資料として公開しております。引用しきれなかった自由回答にも秀逸な意見などが出ていますので、よろしければこちらもダウンロードいただけますと幸いです。
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