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ロボット運用に最適なフィジカルセキュリティの考え方:ロボットセキュリティ最前線(5)(2/3 ページ)
ロボットの利用領域拡大が進む一方で、ネットワーク化が進むこれらのロボットのセキュリティ対策については十分に検討されているとはいえない状況だ。本連載ではこうしたロボットセキュリティの最前線を取り上げてきた。第5回となる今回は「既にできている」と考えられて見過ごされがちなフィジカルセキュリティの考え方について紹介する。
ロボットの運用に最適なフィジカルセキュリティ基盤
サービスロボットの多くはロボット個体が移動をしながらサービスを提供するものがほとんどだ。物理的な区切りがなく障害物の少ない1つの空間での稼働する場合、ロボットを稼働する上で障壁となる要素は少ない。しかし、物理的に区分けされた複数の区画をまたいでロボットを稼働させる場合は、区画を越える際の手段を用意する必要があり、該当施設のフィジカルセキュリティ管理システムとの連携が必須となる。
そして、トレーサビリティーの観点から人の動線と同様にロボットの動線についても映像データを用いた証跡を残すことが望ましい。各施設に設置されている監視カメラを利用し必要な情報を集積しておくことで、有事が発生した際にはそのデータを有効に活用できる。
それぞれのポイントでのフィジカルセキュリティの仕組みとしては以下のようなものが考えられる。
区画を通過する際の認証資格
- 無線方式:ビーコン、Bluetooth、非接触型ICタグなど
- 映像解析方式:バーコード、二次元コードなど
- システム連携方式:ロボット管理プラットフォームとフィジカルセキュリティ管理プラットフォーム間のAPI連携など
ドア開閉装置
- スライド式自動ドア、自動開閉式ドア
認証操作に対する承認スキーム
- ロボット本体から正常に認証操作が行われたかを検知する仕組み(不正防止)
- 正しい資格情報が提示されたかを検証する仕組み(入退室認証)
証跡管理
- ロボットの通行認証履歴の記録(認証装置・監視カメラ映像)
状況フィードバッグ
- 各扉の開閉状況をロボットに伝え、誤動作を防止
エレベーター連携
- エレベーター呼び出し、目的地フロアの設定
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