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OKIのフラグシップスマート工場が始動、「外部化」見据えた実践の場として活用スマート工場最前線(2/4 ページ)

OKIは、本庄地区(埼玉県本庄市)の新工場「OKI本庄工場H1棟」の本格稼働を開始し、自動化を実現する新設備などを公開した。

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自動化領域を大きく拡大

 新工場では、自動化領域の大幅な拡大も推進している。その1つがAGV(無人搬送車)の活用拡大である。一般的に工場内の搬送作業は人手で担うケースも多いが、新工場では、倉庫から製造ライン間、製造ラインから梱包工程間などさまざまな工程間での搬送を自律走行型AGVに担わせている。作業者が呼び出しなどの指示を直接与えるのではなく、生産計画や作業実績データと連携した運行管理システムにより、部材や完成品の引き取りのタイミングを判断して自律走行させ、運搬作業の大幅な省力化を実現している。可動式の台車に乗せられた部品や完成品を搬送し、目的地に来ると台車との連携を切り離して、台車を指定エリアに置く。一方で、空の台車がある場合は、自動で検知し倉庫まで戻すという作業を自律的に行っている。

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AGVにより自律的に工程間で、完成品や部品の搬送が行われている[クリックで拡大]

 これらのAGVを個々のラインで個別に導入するとソフトウェア開発のコストなどが増えるが、OKIではグループ共通でAGVの選定とソフトウェアの内製化を行いコスト低減を図っている。ハードウェア部分も、移動部分はAGVを外部から調達しているが、その上に搭載する機器は内製している。新工場では、悪路環境を移動する必要がある2階部分は回転性能の高いAGVを使用し、1階部分では直線の移動速度が優れるAGVを使用している。現在は限られたエリアで活用しているが、将来的には工場内全体に展開する計画だという。

AGVにより台車を自律的に搬送する様子[クリックで動画再生]

 検査工程なども先進設備により自動化や省力化を行っている。新工場のはんだ付け検査工程では、先進のX線検査装置を導入。高速機と高精度機の2台を活用することで、外観検査では判別できない下面電極部品のはんだ接合の品質を確保している。はんだの接点検査は多くの企業が抜き取り方式で実施している場合が多いが、OKIでは外観検査と3次元のX線検査装置を組み合わせることで、全数全端子の検査を行い、品質を保証しているという。検査装置そのものは外部から購入したものだが「検査アルゴリズムなどは内製しており、自動で最適な検査が行えるようにしている」(担当者)。

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はんだ付け検査工程。全数全端子の検査を行えるようにしている[クリックで拡大]

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