ルネサスの「RX110」でも動くPOSIX互換の「UNISON RTOS」はウェアラブル向け:リアルタイムOS列伝(24)(3/3 ページ)
IoT(モノのインターネット)市場が拡大する中で、エッジ側の機器制御で重要な役割を果たすことが期待されているリアルタイムOS(RTOS)について解説する本連載。第24回は、POSIX互換のリアルタイムカーネル「Nanoexec」を用いたウェアラブル端末向けRTOS「UNISON RTOS」を紹介する。
カーネル単体であれば価格は0.2〜10セント程度
UNISON RTOSは商用OSではあるのだが、ライセンスはオープンソースライセンスと商用ライセンスの両方が提供されている。オープンソースの方は無償(BSD3ベース)で利用できるが、OSそのもののソースコードは提供されずバイナリのみであり、また当然ながらサポートは一切存在しない(図6)。
一方の商用ライセンスは、OSを含む全てのソースコードの開示がある。ライセンスそのものはSingle Products/Products Line/Products Family/Architectureの4種類が提供される。Single Productsは、研究あるいはPoC(概念実証)向け。Product Lineは、基本機能は変わらず周辺回路などに多少の展開があり、例えば同一メーカーのエアコンで、冷却能力の差に応じて異なるラインアップが用意されているような場合の利用を想定している。Products Familyは、例えば冷蔵庫と洗濯機とオーブンを同じブランドで展開する場合などに使われる。Architectureの例としては、「国際企業ABC Widget Inc.がカリフォルニア州サンノゼで開発した全てのARM Cortex M3搭載製品」に適用される、とされているが正直区分けが分かりづらい。価格そのものもSingle Products以外は公開されておらず、この辺は要問い合わせということになる。
ちなみにSingle Productsの価格はこちらのWebサイトに示されている。UNISON Kernelの場合は以下の通りで、1ユニット当たりのお値段は0.2〜10セント程度。
- 1万ユニット:999.00米ドル
- 10万ユニット:1500.00米ドル
- 99万9000ユニット:1998.00米ドル
もっとも、これはカーネルだけで、例えばBluetooth Stackを利用すると1万ユニット当たり2999/4999米ドル(機能によって異なる)が必要だが、全部込みにしても1米ドルを切る程度でOSとドライバ、ミドルウェアやプロトコルスタックなどが手に入るのは、開発期間やコストの短縮に十分見合うと考えることもできる。オープンライセンスとは別に、商用ライセンスでも期間限定の評価用無償版が提供されているので、こちらを利用してまずは確認してみるのが良いかもしれない。
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