複数異機種の倉庫ロボットを連携、SAPが新システムを提供開始:製造ITニュース
SAPジャパンは2022年6月28日、倉庫ロボット連携ソリューション「SAP Warehouse Robotics」の提供を日本で開始すると発表、ゆくゆくは物流ロボティクスの幅広い連携を目指していきます。
SAPジャパンは2022年6月28日、倉庫ロボット連携ソリューション「SAP Warehouse Robotics」の提供を日本で開始すると発表した。
倉庫内で稼働する能力、役割の異なる複数の異機種ロボットの管理や指示、連携を行い、柔軟な倉庫オペレーションを実現する。従来数カ月要していたロボットとの連携開発も数週間に短縮する。1台のロボットから導入でき、業務の拡大に伴う新しいロボットの追加は容易という。同製品はアプリケーション開発基盤「SAP Business Technology Platform」に構築される。
オンラインで行われた発表会においてSAPジャパン SAP Labs Japan シニアプロダクトスペシャリストの前川純氏は「多層階のソリューションとなっており、さまざまな特性を持ったロボットと素早く簡単に連携する。例えば、重量物と軽量物が混ざった倉庫指図を、それぞれの適性を生かしたロボットへ振り分け指示ができる。異なるメーカーのロボットでも同じように接続でき、適材適所に制御する」と特徴を語る。
SAPの倉庫管理システム「Extended Warehouse Management」や、より上位の経営基幹システム「SAP S4/HANA」との連携も可能。「これらの垂直統合によってリアルタイムで経営資源の可視化、重大な経営判断の支援につながる」(前川氏)。2023年には製造実行システム「SAP Digital Manufacturing Cloud」と連携し、仕掛品在庫の搬送や製造部品のステージング業務などの工場物流機能の拡張を予定している。
SAPジャパン SAP Labs Japan Head of Digital Supply Chainの鈴木章二氏は「今、倉庫現場で動いているロボットはまだ試験導入の色が強く、企業は複数のメーカーのロボットを組み合わせて使っていきたいというニーズを持っている。ただ、製造機器と違って倉庫ロボットはメーカーがそれぞれの規格によるシステム連携を前提になっており、大きな課題としてそれらをつなぎ合わせるコストがユーザー持ちになっている。誰かが中央でハンドリングする仕組みを用意しないといけない」と指摘する。
対応可能な機器については、市場での採用顧客に合わせた連携の実現を順次行うとしている。鈴木氏は「大手からベンチャーまで、SAPがリーダーシップを持ってロボットメーカーとグローバルにパートナーシップを組んでいきたい」と意気込む。
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