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樹脂成型品や金属部品の検査に、160kV高出力X線発生装置搭載の卓上X線CTシステム:FAニュース
島津製作所は、160kVの高出力X線発生装置を搭載した、小型の卓上X線CTシステム「XSeeker 8000」の販売を開始した。肉厚な樹脂成型品からアルミダイカストなどの金属部品まで、多様な材質の対象物を鮮明に撮影できる。
島津製作所は2022年4月25日、160kVの高出力X線発生装置を搭載した、小型の卓上X線CTシステム「XSeeker 8000」の販売を開始した。価格は、ソフトウェア込みで1800万円(税別)。今後1年で、国内外合わせて100台の販売を目指す。
XSeeker 8000は、X線の発生装置と検出器の間で回転する対象物の内部を、3次元で撮影して観察できる。最大560万画素相当の入力解像度と微細画素検出器を搭載し、高精細な撮影を可能にした。CTデータのビューアには3D表示機能を採用しており、直感的な観察に対応する。
撮影領域を影絵で可視化してワークの位置決めを支援する機構、撮影条件の簡単設定機能などを搭載。また、初心者でも直感的に操作できるユーザーインタフェースを備える。検査時の繰り返し撮影では、撮影開始から見たい断面の観察までの工程をワンプッシュで完結できる。
サイズは893×650×526mm、重さ290kgの小型かつ軽量な本体ながら、肉厚な樹脂成型品からアルミダイカストなどの金属部品まで、多様な材質の対象物を鮮明に撮影できる。この鮮明な画質と高いスループットにより、製品開発や品質評価時の詳細な観察、加工現場での検査など幅広い用途に対応する。
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