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直径2インチの高純度ダイヤモンドウエハーの量産技術を開発:組み込み開発ニュース
アダマンド並木精密宝石は、直径2インチの高純度ダイヤモンドウエハーの量産技術を開発した。本ウエハーを使用した量子メモリは、Blu-rayディスク10億枚分のデータが保存可能だ。
アダマンド並木精密宝石は2022年4月19日、直径2インチの高純度ダイヤモンドウエハーの量産技術を開発したと発表した。2023年の製品化を予定している。
同技術は、ダイヤモンド結晶成長において窒素の混入を低減することで、窒素不純物の混入を防ぐ。今回開発したダイヤモンドウエハーを使用した量子メモリは、Blu-rayディスク10億枚分のデータが保存可能で、全世界で1日に流通する全モバイルデータ量に相当するという。
同社は2021年9月、佐賀大学と共同で、独自のステップフロー成長法を用いた直径2インチのダイヤモンドウエハーを開発したことを発表している。しかし、この際に用いた結晶成長技術は、成長速度を高めるために窒素ガスを使用するものとなっていた。これにより、ダイヤモンド結晶に数ppmの窒素不純物が混入してしまうため、量子コンピュータへの応用ができなかった。
一方で、窒素濃度を3ppb以下に抑えた市販のダイヤモンドウエハーはサイズが4mm角にとどまっており、研究用途でしか使用することができなかった。
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