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OKIの「ZEB」認定環境配慮型工場が完成、スマート工場のモデルに:工場ニュース(2/2 ページ)
OKIは2022年4月27日、本庄地区(埼玉県本庄市)の新工場「OKI本庄工場H1棟」の建設が完成し、竣工式を行った。新工場は大規模生産施設として国内初となる「ZEB(Net Zero Energy Building)」認定を取得した工場で、環境配慮を徹底していることに加えてIoT(モノのインターネット)などを活用したスマート工場のモデル工場とする。稼働は2022年6〜7月の予定としている。
木材をふんだんに用いた工場
「OKI本庄工場H1棟」はもう1つのコンセプトとして「地域との共生」を挙げており、さまざまな地元の素材やモチーフを用いていることが特徴だ。工場としては珍しく、木材を多用した建築となっているが、この木材には秩父産の杉を中心としたCLT(Cross Laminated Timber)を用いている。工場全体で使用した木材は200トンだとしている。
また、案内表示などは、本庄の伝統的な手工芸品である本庄絣(かすり)をモチーフとしている。
さらに、装飾で用いられているれんがは建設地にあったグラウンドの土を利用。外壁のコンクリート材もあえて秩父杉の木枠で固めて木目を作るなど、細部まで地域との結び付きを表現していることが特徴だ。
フロアは、柱の本数を減らし、また柱そのものも細くしているために、フレキシブルにレイアウト変更が行える形としている。「バーチャルOne Factory」を実現するためには、頻繁なレイアウト変更や製造物変更などを行う必要があり、これらに対応できる汎用性のある作りとなっている。
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