実践! 密度法によるトポロジー最適化に挑戦してみよう:フリーFEMソフトとExcelマクロで形状最適化(7)(6/6 ページ)
原理原則を押さえていれば、高額なソフトウェアを用意せずとも「パラメトリック最適化」「トポロジー最適化」「領域最適化」といった“形状最適化”手法を試すことができる! 本連載ではフリーのFEM(有限要素法)ソフトウェア「LISA」と「Excel」のマクロプログラムを用いた形状最適化にチャレンジする。連載第7回では、いよいよLISAとExcelマクロを使って、片持ちはりのトポロジー最適化を行う!
【付録】ρiの濃淡図を作成するプログラムリスト
Excelのグラフ表示機能に図19のような濃淡図を表示するものはなく、「おやっ?」と思った読者もおられるでしょう。ここでは、濃淡図の描き方を説明します。実は、濃淡図のベースになっているのは、図21に示した散布図です。
図22のようにプロットを右クリックして、ショートカットメニューから「データ系列の書式設定(F)…」を選択します。そして、マーカーの形状を大きな正方形にして、枠線を「線なし(N)」にします。
次に、プロットをもう1回クリックします。これでプロット全体を選択しているのではなく、1つのプロットを選択していることになります。そして、図23のようにプロットの色を変更します。
最後に、図24のようにプロットの隙間が埋まるようグラフを縮めれば完成です。
この一連の操作をExcelの「マクロを記録」機能を使ってプログラム化していたのでした。プログラムリスト(プログラム2)を以下に記します。
Sub Topology_optimization_Density_plot(isw As Integer) Dim ne As Integer, i As Integer, ro As Integer Dim density As Double, plotsize As Integer Dim density_max As Double, density_min As Double, density_target As Double Dim col As Integer density_max = 1#: density_min = 0# ne = Cells(4, 5) ro = 10 ActiveSheet.ChartObjects("グラフ 1").Activate For i = 1 To ne ro = ro + 1 If isw = 1 Then density = Cells(ro, 14) ElseIf isw = 2 Then density = Cells(ro, 24) Else MsgBox "Unexpected isw, isw = " & CStr(isw), 16, "Error in Topology_optimization_Density_plot" Stop End If col = 128 - CInt(256 * (density - 0.5)) If col > 255 Then col = 255 If col < 0 Then col = 0 ActiveChart.FullSeriesCollection(1).Points(i).Select With Selection.Format.Fill .Visible = msoTrue .ForeColor.RGB = RGB(col, col, col) End With Next i End Sub
Profile
高橋 良一(たかはし りょういち)
RTデザインラボ 代表
1961年生まれ。技術士(機械部門)、計算力学技術者 上級アナリスト、米MIT Francis Bitter Magnet Laboratory 元研究員。
構造・熱流体系のCAE専門家と機械設計者の両面を持つエンジニア。約40年間、大手電機メーカーにて医用画像診断装置(MRI装置)の電磁振動・騒音の解析、測定、低減設計、二次電池製造ラインの静音化、液晶パネル製造装置の設計、CTスキャナー用X線発生管の設計、超音波溶接機の振動解析と疲労寿命予測、超電導磁石の電磁振動に対する疲労強度評価、メカトロニクス機器の数値シミュレーションの実用化などに従事。現在RTデザインラボにて、受託CAE解析、設計者解析の導入コンサルティングを手掛けている。⇒ RTデザインラボ
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