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需要と高精度化要求が高まる計測用半導体レーザーの工場新設を決定:工場ニュース
マグネスケールは、神奈川県伊勢原事業所内に、計測用半導体レーザーの開発、生産工場を新設する。今後の需要の増加と高精度化要求に応えるため、計測用半導体レーザーの自社開発および内製化を決定した。
マグネスケールは2022年2月10日、同社の神奈川県伊勢原事業所内に、計測用半導体レーザーを開発、試作、生産する工場を新設すると発表した。新設工場の建築面積は450m2で、延床面積は918m2。総投資額は約30億円になる。2023年6月に完成、2024年1月の操業開始を目指す。
DMG森精機のグループ会社であるマグネスケールは、ピコメートルレベルの分解能を有するエンコーダーのレーザースケールをはじめ、高精度な計測機器の開発や製造、販売を手掛けている。レーザースケールの主な市場となる半導体の製造装置、検査装置では、集積度の向上に伴い、より精度の高いスケールが求められており、需要も年々拡大している。
マグネスケールでは、2025年には自社の計測機器に用いる半導体レーザーの必要数量が年間10万個になると予測。今後の需要の増加と高精度化要求に応えるため、計測用半導体レーザーの自社開発および内製化を決定した。
今後、DMG森精機では、金属積層造形機やレーザー加工機に搭載する加工用高出力半導体レーザーの開発、製造に、マグネスケールが計測用半導体レーザーの開発で培った知見を展開することを計画している。
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