ニュース
マクニカ、生産状況をリアルタイムで可視化するIoTインフラ基盤を構築:製造IT導入事例
マクニカは、東洋新薬のインテリジェンスパーク工場の生産状況をリアルタイムで可視化するIoTインフラ基盤を共同開発した。
マクニカは2022年2月4日、健康食品を製造する東洋新薬のインテリジェンスパーク(IP)工場の生産状況をリアルタイムで可視化する、IoT(モノのインターネット)インフラ基盤を共同開発したと発表した。
東洋新薬は、健康食品や化粧品を製造する総合受託メーカー。ODMとOEMの両方を手掛けている。2019年には、次世代の製造拠点として新たなIPを設置し、設備稼働効率の向上に向けてスマート工場への取り組みを開始している。一方、その取り組みの中で、情報を活用した製造ラインのリアルタイムでの可視化が課題となっていた。
両社は今回、包装後の重量検査実績や充填実績、各種アラーム情報などを、商品を充填、箱詰めするラインからマスターPLCに吸い上げ、IoTインフラ基盤に集約してBIツールで可視化した。また、検査でNGとなった商品数や歩留まり数などの情報も同時に共有できる仕組みを構築している。
これにより、これまで作業終了後に表計算ソフトで集計していた生産状況が、リアルタイムで把握できるようになった。また、BIツールに表示した稼働状況をドリルダウンし、より詳細な状況を確認するなど、さまざまな視点での分析が可能になった。
東洋新薬では今後、基幹システムとの連携を目指すと共に、予防保全などの考え方も取り入れながら、スマート工場化を進めていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- IoTプラットフォームが引き出すスマート工場の真の価値
今後の製造業の発展に向けて必要不可欠とみられているIoT(モノのインターネット)。本連載では、IoTの現在地を確認するとともに、産業別のIoT活用の方向性を提示していく。今回は、スマート工場におけるIoTの価値がどのような仕組みで実現されていくかについて紹介する。 - 第4次産業革命を支えるIoTプラットフォームって結局何なの?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第10回となる今回は、2016年から雨後のタケノコのように乱立する「IoTプラットフォーム」について説明したいと思います。 - IIoTを巡る覇権争い、正しいプラットフォームの選択に必要な考え方
産業用IoT(IIoT)の活用が広がりを見せているが、日本の産業界ではそれほどうまく生かしきれていない企業も多い。IIoT活用を上手に行うためには何が課題となり、どういうことが必要になるのか。本稿ではIIoT活用の課題と成果を出すポイントを紹介する。第5回では、数多くの参入企業があるIIoTプラットフォームについて解説する。 - 全ての始まりは「データの標準化」から、IIoT基盤に求められる役割と機能
産業用IoT(IIoT)の活用が広がりを見せているが、日本の産業界ではそれほどうまく生かしきれていない企業も多い。IIoT活用を上手に行うためには何が課題となり、どういうことが必要になるのか。本稿ではIIoT活用の課題と成果を出すポイントを紹介している。第7回では、IIoT活用に必須の「データの標準化」と、これに対するIIoTプラットフォーム活用のポイントを解説する。 - IoTで品質向上を実現するためにはどういう考え方やツールが必要か
IoTの活用が広がりを見せていますが、上手に活用すれば製品品質の向上につなげることも可能です。本連載では、最新の事例を紹介しながら、IoTを使って製品の品質をどう向上させるかについて説明していきます。第2回となる今回は、品質向上をIoTを活用して実現する際に必要となるツールや考え方について解説します。