WebブラウザベースのxAppsを凝縮した「SOLIDWORKS CLOUD」発表:3DEXPERIENCE WORLD 2022(2/2 ページ)
3D設計/製造ソリューション「SOLIDWORKS」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE WORLD 2022」がオンラインで開催された。本稿では、新たなオファーとして初日のゼネラルセッションの中でアナウンスのあったWebブラウザベースの3D設計&ライフサイクル管理ソリューション「SOLIDWORKS CLOUD」について取り上げる。
「SOLIDWORKS CLOUD」が提供する各種ロール/xApps
3D Creatorで利用できる「xDesign」は、パラメトリックモデリング機能を提供する3D設計アプリケーションで、「デザインアシスタント」と呼ばれるAI(人工知能)駆動アクセラレーターを備える。また、新規設計を支援したり、既存の設計を最適化したりする「デザインガイダンス」機能を搭載し、設計者の業務を支援する。
3D Sculptorに含まれる「xShape」は、サブディビジョン(Sub-D/細分割)モデリング機能を提供する3D設計アプリケーションで、Webブラウザ上での高速なサブディビジョンモデリングを可能にし、シンプルなプッシュ/プルインタラクションを実現する。
「3D SheetMetal Creator」では、パラメトリックな3D板金設計環境を提供する「xSheetMetal」を利用できる。板金設計固有のコマンドがあらかじめ用意されており、デザインアシスタントによって、例えばエッジをクリックしただけで次のコマンドが表示されるなど、ステップバイステップで板金設計が進められる。
「3D Structure Creator」で利用可能な「xFrame」は、3Dによる架構式構造設計(フレーム設計)を支援するアプリケーションで、任意のエッジやスケッチ、曲線を参照してフレーム構造を設計できる。また、自動/手動のトリミング、カッティングリストの自動生成にも対応する。
「Manufacturing Definition Creator」で使用できる「xDefine」では、3Dアノテーション(3Dモデルの情報として付加する注記や寸法)や公差を3Dモデルに適用することにより、加工や製造時などに必要な情報を3Dモデルから取得して、従来の2D図面と同じように簡単にレイアウトできる。MBD(モデルベース定義)と2D図面の両方を対象にした単一環境であり、設計者は重複した作業を行う必要がないという。
その他のSOLIDWORKS CLOUDのロール/xAppsとしては、金型設計を支援する「3D Mold Creator/xMold」、クラウドレンダリングに対応する「3D Render/xStudio」、テクニカルコミュニケーションの作成が可能な「Product Communicator/xStudio、xHighlight」が挙げられる。
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