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思ったようにフィレットがかけられず設計作業が進まない……テルえもんの3Dモノづくり相談所(8)(3/3 ページ)

連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」では、3Dモノづくりを実践する上で直面する“よくある課題”にフォーカスし、その解決策や必要な考え方などについて、筆者の経験や知見を基に詳しく解説する。第8回のテーマは「フィレット作成の基本的な考え方」についてだ。

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フィレットは奥が深い

 「フィレットは簡単な作業のように見えて、実は奥が深い」ということを理解していただけたでしょうか。冒頭にも説明しましたが、フィレットはモデリング技術と経験が大きく反映される作業であり、数あるモデリング操作の中でも難しいとされる作業です。ぜひ、今回の内容を基本的な考え方として、今後の3D CADでのモデリング作業に役立ててください。

 フィレットは、作成する箇所が複雑である場合が多く、位置変更も頻繁に発生します。そのため、どのような分岐をすればよいか? など、コーナー部の処理を考えながらモデリングする必要があります。また、フィレット合流部などの位相変更が発生しそうな箇所では、フィレットを作成する順番を考慮しなければなりません。効率的にフィレットを作成するには、どこにフィレットを作成すべきか、常に最終形状をイメージしながらモデリングすることが重要です。

 フィレットの考え方やテクニックは他にもあります。今回紹介した内容は、その一部となりますので、1つの参考としてご活用ください。もちろん、社内でフィレットの作成方法やルールが整備されているのであれば、そちらのルールに従うことを最優先に運用しましょう。

 3D CAD環境によっては、フィレット作業を効率的に行える便利な機能もありますので、お使いの3D CADのフィレット機能の詳細設定などを確認してみてください。また、これから3D CADの導入を検討される方は、フィレット機能の良しあしを選定の1つのポイントにしてもよいでしょう。

 今回の内容が今後の皆さまの3D CADでのモデリング、3D CAD導入選定の一助になれば幸いです。 (次回へ続く

⇒ 連載バックナンバーはこちら

筆者プロフィール

テルえもん/本名:小原照記(おばら てるき)

いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事に対し、デジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。


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