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パラメトリック最適化に挑戦するフリーFEMソフトとExcelマクロで形状最適化(2)(1/4 ページ)

原理原則を押さえていれば、高額なソフトウェアを用意せずとも「パラメトリック最適化」「トポロジー最適化」「領域最適化」といった“形状最適化”手法を試すことができる! 本連載ではフリーのFEM(有限要素法)ソフトウェア「LISA」と「Excel」のマクロプログラムを用いた形状最適化にチャレンジする。連載第2回では片持ちはりをモチーフに、パラメトリック最適化について解説を始める。

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 本連載で取り上げる形状最適化は、以下の3つとなります。

  • パラメトリック最適化
  • トポロジー最適化
  • 領域最適化

 「パラメトリック最適化」については手計算で、「トポロジー最適化」と「領域最適化」に関しては、フリーのFEM(有限要素法)ソフトウェアとマクロプログラム付き「Excel」を用いて解説していきます。

⇒ 連載バックナンバーはこちら

パラメトリック最適化について

 まず、パラメトリック最適化から説明します。例えば、図1のような部品の設計を考えましょう。形状がいくつかのパラメータで定義されていて、3D CADによる形状定義は「パラメータ設計」といってよいでしょう。図1の場合、寸法値が設計パラメータです。ここでは、荷重Fに対する変形量が最小となるようなパラメータを求めることを目標とします。連載第1回でも述べましたが、変形量を最小化する目標を達成した形状の応力分布は、応力の高いところと応力の低いところが均一化されていて、強度面でも最適化されている場合が多いです。

パラメトリック設計
図1 パラメトリック設計[クリックで拡大]

 図1ではパラメータが多過ぎるので、今回は図2に示すような穴のない片持ちはりをモチーフにします。高さhが座標xの関数で、h=axnであるとします。荷重に対する変位が最小となる、つまり剛性が最大となるパラメータnとaはいくらになるでしょうか。

式1
式1
高さが変化する片持ちはり
図2 高さが変化する片持ちはり[クリックで拡大]

片持ちはりの応力

 「何をいまさら」と思われるでしょうが、片持ちはりの応力をおさらいしておきましょう。曲げモーメントはM(x)=Wx、最大曲げモーメントははりの根元で発生し、Mmax=WLですね。

片持ちはり
図3 片持ちはり[クリックで拡大]

 xの位置の曲げ応力はxとyの関数となり、式2で表されます。

式2
式2

 上下端(y=±h/2)の応力は式3となります。

式3
式3

 断面二次モーメントIは式4でした。

式4
式4

 今、はりの高さhが座標xによって、h(x)=axnのように変化するとしましょう。断面二次モーメントは式5となります。

式5
式5

 式5式1式3に代入し、プラスの応力だけを考えましょう。

式6
式6

 xのどの位置でもσ(x)が変化しないようなはりを考えます。つまり、σ(x)がxの関数でなくなるようなはりです。式6において、1−2nがゼロになればσ(x)がxの関数ではなくなりますね(式7)。

式7
式7

 式7式1に代入します。

式8
式8

 はりの高さh(x)がxのルートに比例するようにすれば、xのどの位置でも曲げ応力が一定となります。平等強さのはりですね。しかし、これから求めるのは、荷重Wに対する変位が最小になるようなはりです。どうなるのでしょうか。

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