幕張新都心で自動運転バスの実証実験、新駅を含む地域の回遊性向上目指す:自動運転技術
京成バス、損害保険ジャパン、アイサンテクノロジー、建設技術研究所、埼玉工業大学は2022年1月6日、同年1月15〜16日に千葉市の幕張新都心地域で自動運転バスの実証実験を行うと発表した。自動運転バスの社会実装に向けて、技術面とサービス面の検証を行う。
京成バス、損害保険ジャパン、アイサンテクノロジー、建設技術研究所、埼玉工業大学は2022年1月6日、同年1月15〜16日に千葉市の幕張新都心地域で自動運転バスの実証実験を行うと発表した。自動運転バスの社会実装に向けて、技術面とサービス面の検証を行う。
実証実験で走行するのは、「イオンモール幕張新都心」「ZOZOマリンスタジアム」「JFA夢フィールド幕張温泉 湯楽の里」を結んだルートだ。使用する車両は埼玉工業大学が所有する日野自動車の小型バス「リエッセII」で、自動運転ソフトウェア「Autoware」やLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)、GNSSアンテナなどを搭載している。実証実験では、GNSSの正確性や、複数車線がある環境での右左折、幕張新都心地域で恒常的に発生する渋滞への対応を検証する。
イオンモール幕張新都心付近で2023年に開業するJRの新駅を想定した運行ルートのニーズ調査や、自動運転バスの社会受容性や事業性も検証するとしている。新駅「幕張豊砂駅」は、JR京葉線の新習志野駅と海浜幕張駅の中間に位置する。新駅開業を見据えた移動サービスで、地域住民の生活に必要な旅客輸送の確保、都市の回遊性向上、街のにぎわい創出につなげる。
実証実験に参加する企業は次のような役割分担となる。京成バスは自動運転バスのドライバー手配、行政機関との調整、実証実験全体の総括を担当する。損保ジャパンは自動運転バスのリスクアセスメント、アイサンテクノロジーは自動運転バス用の3次元地図の作製や走行支援を担う。建設技術研究所はアンケート調査の計画と実施、調査結果の集計と分析、自動運転サービスの検証を行う。埼玉工業大学は、自動運転バスの提供、チューニングの支援、ドライバートレーニングなどに対応する。
今回の実証実験は、千葉市の公募に5社の提案が採択されて実現に至った。千葉市は国家戦略特区の指定を受け、幕張新都心地域を中核に、ドローンや自動運転車などの技術実証やビジネスモデル創出に取り組んでいる。その一環として、高齢者や障害者、外国人などさまざまな立場でストレスなく快適に移動するために地域や路線を限定して、駅や住居地区、商業施設、公園などを結ぶ自動運転車の導入を見据えた実証実験を行う事業者を公募した。
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