半自動運転でウオータージェット作業を大幅に省力化する小型ロボット:FAニュース
スギノマシンは、半自動運転で作業効率が向上する「ウォータージェット作業専用クローラ式小型ロボット」を発表した。ウオータージェットガンを備えた多関節アームを搭載し、洗浄、はくり、はつり作業を大幅に省力化する。
スギノマシンは2021年11月29日、半自動運転で作業効率を向上する「ウォータージェット作業専用クローラ式小型ロボット」を発表した。2022年4月に発売予定で、価格は2000万円からとなる(税別)。
従来のハンドガンによるウオータージェット作業は、防護服を着た作業者が超高圧水の噴射反力に長時間耐えなければならず、負担が大きかった。ウオータージェット作業専用クローラ式小型ロボットは、ウオータージェットガンを備えた多関節アームを搭載し、洗浄、はくり、はつり作業を大幅に省力化する。
外観寸法が940×500×1620mmとコンパクトで、装置幅が500mmのため、作業足場分の幅を通行できる。他社のロボットでは侵入できない場所での作業にも対応する。
また、無線遠隔操作により作業者の安全を確保でき、ケーブルの絡まりや断線も防止する。なお、高圧ホースは有線となっている。
許容噴射反力は300Nで、高圧大流量のウオータージェット作業に対応。人が持てる噴射反力よりも大きな噴射反力を把持でき、作業効率が向上する。半自動運転機能を備え、始点と終点をティーチングすることで、操作盤のボタンを押している間はノズルが自動で左右に動く。同機能は容易に設定可能で、操作者の負担を軽減する。
主な用途として、高速道路や橋脚、ビルの内壁外壁などのコンクリートはくり、はつり作業、車両、船舶などの塗膜除去、熱交換器、配管などの外面洗浄を見込んでいる。
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