海洋音響関連サービスの成長加速へ、OKIが海洋技術の関連会社2社を統合:製造マネジメントニュース
OKIは2021年12月2日、海洋音響関連事業の拡大を図るため、耐環境性の付与技術(ラギダイズ技術)に強みを持つ静岡OKIと、海洋計測エンジニアリング技術に強いOKIシーテックを経営統合し、2022年4月1日に新会社を設立すると発表した。
OKIは2021年12月2日、海洋音響関連事業の拡大を図るため、耐環境性の付与技術(ラギダイズ技術)に強みを持つ静岡OKIと、海洋計測エンジニアリング技術に強いOKIシーテックを経営統合し、2022年4月1日に新会社を設立すると発表した。
新会社の所在地は静岡県沼津市で、静岡OKIの現本社所在地と同一である。社名、代表者、資本金はいずれも未定。主な事業内容としては各種情報通信装置や電子部品の開発、設計、製造、保守に加えて、海洋、湖沼、河川などに関する計測、調査、試験、コンサルティングを挙げる。従業員数は約200人。
静岡OKIは海洋など厳しい環境で動作する機器の設計、製造、販売、保守を手掛けており、水中音響計測施設「固定式計測バージ」を保有する。これと海洋機器の計測、試験、コンサルを主に手掛けるオキシーテックを統合することで、海洋音響、船舶に関連する多様なニーズにワンストップ対応できる体制を構築する。海洋開発支援とエンジニアリング分野、また、船舶や民間特機分野における販売力と商品力の強化を促進する。
OKIは「中期経営計画2022」において、新規ソリューション創出分野として海洋分野に注力し、ソナーなどの防衛関連事業を中心に培ってきた水中音響技術の民間市場への適用と新規市場開拓を目指している。
今回の経営統合により、両社の水中音響処理技術、水中音響通信技術、海中耐環境性技術などの強みを生かし、海洋資源の保全や海洋データの収集、海洋事業者に向けたインフラ活用サービスなどを展開する。さらに、固定式計測バージを2023年度をめどに更新するなど、 海上試験、評価設備をさらに充実させる計画だ。
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