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ロボットバトルはメタバースでもやれんのか! VRChatで大会を開催してみたVRでROBO-ONEやってみた(4/4 ページ)

新型コロナウイルス感染症によりロボット競技会が大きな影響を受ける中、ROBO-ONE Lightの公認機をリモート操縦で戦い合わせるためのシステムを独自に構築した筆者の大塚実氏。しかしこの環境でもさまざまな制限があるということで、注目を集めるメタバース(というかVR)に戦いの舞台を求めた。VRでロボットバトル、どれだけやれんのか!

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VRだからこそ巨大ロボットでも戦える

 ちなみに、ここまでロボットが動くのであれば、もっとSF寄りなロボットバトルもできそうだということで、プログラムを流用して「Giant robot battle 宇宙要塞の攻防」というワールドも作成した。このワールドの3Dモデルは、友人のモフ子氏が全て作ってくれたので、非常に本格的な世界観を実現できたと思う。

巨大なロボットに乗って戦いたい
巨大なロボットに乗って戦いたいという、欲望の赴くままに作ったワールドである[クリックで拡大]

 このワールドでは、さらに腕をマスタースレーブ方式で操作する機能も追加している。逆運動学を実装するのはやや面倒だったが、自分が腕を動かした通りにロボットの腕が動く感覚はかなり楽しい。ドリルや火炎放射器など、われわれの趣味全開の武装も用意したので、実際にワールドで試してみてほしい。

モフ子氏が作ってくれた紹介動画。見どころがこれで一通り分かる[クリックで再生]
Giant robot battle 宇宙要塞の攻防
Giant robot battle 宇宙要塞の攻防[クリックでWebサイトへ移動]

⇒Giant robot battle 宇宙要塞の攻防

コロナ禍でVRがより有用なツールに

 現在、非常に簡単にVRを楽しめる環境が整いつつある。筆者が30年前に大学の卒業研究でVRシステムを開発したときは、VRゴーグルも3Dエンジンもアプリも全部自作するしかなかったが、今は本格的なVRゴーグルが3万円台で買えるし、無料で利用できるアプリも多い。まさに、筆者が30年前に望んだ世界がここにある。

 一方、ユーザーとして利用するだけでなく、作って楽しむのも簡単になってきている。筆者は3D CADツールはあまり使えないため、3Dモデルは友人から提供してもらうことが多いが、Unityのアセットストアや、「BOOTH」などのサイトには、風景、小道具、アバターなど、有償/無償のさまざまな3Dモデルがある。これらを使うだけでもかなりのことができる。

再突入のエフェクト
前述のワールドで使っているこの再突入のエフェクトは、Unityのアセットストアで購入(11ドル)したものだ。星空と地球は無料のものを使っている[クリックで拡大]

 プログラムが作れないという人でも、VRChatであれば、プレイヤーの移動などは全てシステム側がやってくれるので、特にプログラムを書かなくても、ワールドの作成は可能だ。BOOTHには、プログラムがセットになったVRChat用のギミックなどもあるので、そういうものを利用するという手もある。

 ワールドの作成手順については、Web上にさまざまな情報が出ているので、興味があれば各自で調べてほしい。なかなかやってみないと伝わりにくいところなのだが、何か適当に3Dモデルを置いたワールドの中を動き回るだけでも、結構楽しい。ぜひ自分だけのワールド作りにも挑戦してもらいたい。

 本格的に楽しむにはVRゴーグルがほしいところだが、VRChatは前述のように、Windows PCだけでも利用することができる。PCアプリだと腕を動かせないなどの制約はあるものの、大体のことは可能なので、3D酔いに弱い筆者などはほとんどPCでログインしているほどだ。始め方について、以前個人ブログにまとめたので、参照してもらえればと思う。

⇒VRChatを始めてみよう(筆者の個人ブログ)

 この1年半ほど、筆者はリアルでほとんど誰にも会っていないのだが、日常的にVRChatを利用していて、以前よりむしろ人付き合いは増えた。Zoomなどのオンラインツールもあるものの、VRだとリアルと同様の“距離感”まで得られるのが非常に大きな違いと感じている。今後、VRがさらにどのように発展していくのか、楽しみなところである。

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