ロボットバトルはメタバースでもやれんのか! VRChatで大会を開催してみた:VRでROBO-ONEやってみた(3/4 ページ)
新型コロナウイルス感染症によりロボット競技会が大きな影響を受ける中、ROBO-ONE Lightの公認機をリモート操縦で戦い合わせるためのシステムを独自に構築した筆者の大塚実氏。しかしこの環境でもさまざまな制限があるということで、注目を集めるメタバース(というかVR)に戦いの舞台を求めた。VRでロボットバトル、どれだけやれんのか!
VRChat内に大会のワールドを用意
何とか技術的にはめどが立ったものの、いざ大会を開催するとなると、イベントの進行や試合のレフェリーなど、スタッフが必要だ。幸いなことに、これについてはVRChat内で「VRホビーロボット集会場」を主催しているGARU氏がやってくれることになった。GARU氏はROBO-ONE公認レフェリー制度のライセンスも取得しており、その点でも安心だ。
運営を人任せにできたので、筆者は大会に必要な機能を追加していくことにしよう。今回、この新しい大会「ニソコンVR」のために、さらに以下の機能を実装した。
- (1)ポイント表示システム
- (2)トーナメント表
- (3)司会席&解説席
- (4)表彰式セット(表彰台+トロフィー)
(1)のポイント表示システムは、プレイヤー名とダウン数を表示している。ちなみにROBO-ONEの場合、有効な攻撃以外で倒れたときはスリップとなるため、単純に転倒だけでダウンかどうか判断できない。この自動化は難しいので、ポイントの増減はレフェリーが手元のスイッチで操作する仕組みとした。
(2)のトーナメント表は、大会の進行上、必須の機能といえる。ただ、これを真面目に作ろうとするとかなり大変なため、取りあえず今回は最低限の機能として、プレイヤー名を表示できるパネルだけ用意。トーナメントを勝ち上がったら、そのパネルを手動で移動するという、運用で何とかすることにした。
なお、ロボットにはスケールを変える機能も実装しており、今回の大会では、画面映えするように、標準の2倍サイズで試合を行うことにした。完全に余談ではあるが、このロボットには、搭乗して操縦する機能も入れていたので、やろうと思えば、巨大ロボット同士のバトルも可能だ。この辺はVRならではの面白さである。
第1回ニソコンVRは、2021年8月29日に開催。何人集まるか全く読めなかったが、8人が出場し、大会らしい形になった。途中、レフェリーのGARU氏がフリーズし、ワールドから落ちて消えるというVRらしいハプニングはあったものの、それ以外は特に問題なく進行することができた。大会の様子については、配信の動画も参照してほしい。
そして次回の大会であるが、これは「バーチャルマーケット2021(Vket2021)」内において、2021年12月11日に開催する予定だ。Vket2021の「Poppin’Jump リッチゴールド」に、会場となるブースを設置。改良した操作系でロボットが動かせるようになっているので、Vket2021の会期中にぜひ訪れて試してみてほしい。
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