世界初のマイクロプロセッサ「4004」から50年、今やトランジスタ数は100万倍に:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
インテルは、オンラインで会見を開き、世界初のマイクロプロセッサとして知られる同社の「4004」が発表から50周年を迎えたことと併せて、最新技術となる第12世代「Core」プロセッサファミリーについて紹介した。
「これまでも、これからも、ムーアの法則は有効」
インテルの最新製品は、コードネーム「Alder Lake」に当たる第12世代Coreプロセッサファミリーになる。50年前に発表された4004と比較すると、製造プロセスは10μmから10nm(Intel 7)となり、トランジスタ数は2300から数十億と100万倍に達している。端子数は16ピンから1700ピン、命令セットも4ビットから64ビットとなり、動作周波数は750kHzから最大5.2GHzまで向上している。50年間におけるこれらの大きな進化は、インテル創業者の一人であるゴードン・ムーア(Gordon Moore)氏が提唱した「ムーアの法則」に基づくものだ。
ムーア氏は1965年に、今後10年間は集積回路の複雑性が毎年約2倍の比率で増大すると発表し、その10年が経過した1975年には、今後10年間は2年ごとに2倍の比率で増大すると予測している。これがムーアの法則である。2年ごとに2倍のペースは現在も維持されており「微細化が難しくなっていることから限界もささやかれているが、インテルはこれまでも、これからも、ムーアの法則は有効だと考えている」(土岐氏)。
現在リリースされている第12世代Coreプロセッサは、オーバークロックに対応するデスクトップ向け製品になる。ゲーミングとコンテンツ制作で高い性能を発揮し、競合となるAMDの「Ryzen 5950X」よりも高い処理性能を実現できている。
また、Alder Lakeでは高性能の「Performance Core」と高効率の「Efficient Core」を組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを特徴としている。前世代の第11世代Coreと比べて、Performance Coreを用いるピーク時性能は同じ消費電力でも50%向上し、Efficient Coreを用いる場合には同じ性能を約4分の1の消費電力で実現できるとしている。
Alder Lakeで導入された「スレッド・ディレクター」をアプリケーション側で活用すれば、さらに処理性能を向上できるとしている。
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