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録画装置と画像AI機能を備えたAIエッジゲートウェイの開発を開始:エッジコンピューティング
アムニモは、ルネサス エレクトロニクスのAIチップ「RZ/V」シリーズを搭載した「AIエッジゲートウェイ」の開発を開始した。録画装置だけでなく、低消費電力の画像AI機能を備えており、監視カメラシステムなどに適する。
アムニモは2021年10月18日、ルネサス エレクトロニクスのAI(人工知能)チップ「RZ/V」シリーズを搭載した「AIエッジゲートウェイ」の開発を開始したと発表した。
開発中のAIエッジゲートウェイは、録画装置だけでなく、低消費電力の画像AI機能を備える。監視カメラシステムをはじめ、さまざまな産業用システムにおいてエッジAIコンピューティングを可能にする。
同製品は、AI解析のための専用プロセッサを搭載した拡張ボードを備える。ルネサスのビジョン向けAIアクセラレーター「DRP(Dynamically Reconfigurable Processor)-AI」を内蔵したマイクロプロセッサRZ/Vシリーズを採用したことにより、低消費電力で高速のAI推論が可能だ。発生事象に応じて迅速に解析処理を実行し、ファンレス構造で設置場所の自由度も高い。クラウドに必要なデータだけを転送するため通信コストを削減するほか、ユーザー独自のAIモデルを搭載することもできる。
また、ノイズや電圧変動に強い電源回路、複数SIMの高速切り替えによる通信障害対策、独自のモジュール制御手法による高い信頼性、クラウド連携による保守および運用のしやすさなど、販売中の「エッジゲートウェイ(屋内版)AG10」の特徴を継承している。
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