HDMI出力に特化した、低価格の工作機械内部確認用カメラ:FAニュース
キャプテンインダストリーズは、工作機械内部の確認用カメラシステム「ロトクリア・カメラ・ベーシックキット」の販売を開始した。カメラを一眼のみとし、HDMI出力のみに特化した仕様にすることで価格を抑えている。
キャプテンインダストリーズは2021年10月12日、工作機械内部の確認用カメラシステム「ロトクリア・カメラ・ベーシックキット」の販売を開始した。価格は42万200円(税込)で、初年度50システムの販売を目指す。
ロトクリア・カメラ・シリーズは、動作中の工作機械内部を複数のカメラで撮影し、遠隔地からでもリアルタイムに確認できる機械内部監視システム。クーラントや切削粉が飛散する中で稼働する工具や加工物の状態を、クリアな映像で見られる。
スタンダード品「ロトクリア・カメラC2」では、離れた場所からでもスマートフォンやタブレットでモニタリングや操作ができる。一方、ベーシックキットは、カメラを一眼のみにし、確認できる端末を1対1ディスプレイへのHDMI(高精細度マルチメディアインタフェース)出力のみに特化した仕様にすることで、価格を抑えている。
価格を抑えた廉価版でありながら、見たい部分を拡大できるスワイプズーム機能、映像の天地を検出して通常姿勢を映す姿勢位置検出センサー、過去に保存した静止画や動画を閲覧できるギャラリーといったC2の基本機能は備える。
ロトクリア・カメラ・ベーシックキットは、ロータリーウインドウとLED照明で常にクリアな視界を確保する特許技術を搭載し、4KフルHD60フレームレートの解像度で動画を記録する。キットの内容は、カメラ本体、HDMIボックス、カメラケーブル、電源ケーブル、電源用PCBコネクター、エアチューブ、O(オー)リングとなっている。
機械内部の監視システムは、コストがネックとなって、導入をためらう企業もあった。同社は、機能を絞り価格を抑えた同キットにより、工作機械や自動車の部品メーカーなどのものづくり企業に対し販売網を拡大していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 製造現場に広がる「画像」や「映像」の活用、何に生かすべきか
成果が出ないスマートファクトリーの課題を掘り下げ、より多くの製造業が成果を得られるようにするために、考え方を整理し分かりやすく紹介する本連載。前回から製造現場でつまずくポイントとその対策についてお伝えしていますが、第12回では、スマートファクトリー化を進める中で活用が広がっている「映像」「画像」の使いどころについて紹介します。 - 製造現場で活躍広がる「画像×AI」、どういう場で生きるのか
グルーヴノーツは、「製造×画像AI」をテーマに2020年4月14日、オンラインセミナーを開催。グルーヴノーツ アカウントエグゼクティブ 岩野敦氏が製造業向けのインフラ設備・機械の保全・安全管理業務における画像AIの活用事例などを紹介した。 - 進む産業機械のスマートフォン化、標準化とオープン化がカギに
スマート工場化が進む中、工場内の生産機械や設備にも生産情報や設備情報などを活用するために「つながる」ことが求められるようになってきている。こうした環境に合わせる形で、生産機械についても協調領域については「水平分業型」へのシフトが加速する見込みである。 - 工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。 - アップルVSサムスン訴訟を終わらせた日本の工作機械の力
知財専門家がアップルとサムスン電子のスマートフォンに関する知財訴訟の内容を振り返り「争う根幹に何があったのか」を探る本連載。最終回となる今回は、最終的な訴訟取り下げの遠因となった「新興国への技術移転」の問題と「なぜ米国で訴訟取り下げを行わなかったのか」という点について解説します。