「クルマのよりよい作り方を追求できる」という強み:自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)
土曜日ですね。1週間お疲れさまでした。季節外れの暑さだったり、夜遅くの大きな地震だったり、ぐったりしてしまいます。皆さまご無事でしょうか。
土曜日ですね。1週間お疲れさまでした。季節外れの暑さだったり、夜遅くの大きな地震だったり、ぐったりしてしまいます。皆さまご無事でしょうか。
このコーナーを書いている10月8日は、日産自動車の栃木工場の取材でした。2019年に発表した次世代の自動車生産のコンセプト「ニッサンインテリジェントファクトリー」の実物を見学してきたのです。EVの話になると、「どんな会社でもクルマを作れるようになる」という説が必ず出てきますが、よりよい作り方を考えるには長年の経験が必要なのだと実感しました。
詳細は後日の記事で紹介しますが、ニッサンインテリジェントファクトリーは、開発や設計といった部門と工場の連携を強く意識しています。「このような機能のクルマを量産するには、工場はこうあるべきだ」「工場はこうあるべきなので、クルマはこのように設計する方がいい」という両方のアプローチで考えられているようです。
更地から工場を建てる機会があったとしても、異業種の会社が自動車生産に最適なスマートファクトリーを形にするのはハードルが高いのではないでしょうか? 品質が競合他社に劣ってもいいからとにかく作る、とか、ムダが積み重なって高コストでもいいから作る、というのであれば、「どんな会社でもクルマを作れる」かもしれません。
そうやって作られたクルマと、長年の経験に裏打ちされた品質のクルマ、どちらが選ばれるでしょう。安ければ、どのように作られていようと構わないという人もいるかもしれませんね。とはいえ、命を預ける高価な製品ですから、ちゃんと作られていてほしいと思います。「よりよい作り方を追求できる」というのは、アドバンテージであり続けるのではないでしょうか。
新型車の情報が各社から続々と
さて、最近は新型車に関する情報が増えてきた印象です。先週はダイハツ工業が、コンパクトSUV「ロッキー」に新開発の排気量1.2l(リットル)のガソリンエンジンによるシリーズハイブリッドシステムを搭載して11月から発売すると予告しました。今週はマツダが「ラージ商品群」を中心としたクロスオーバーSUVの投入計画を発表しています。
マツダは次の新世代商品群を「スモール」「ラージ」の2つのアーキテクチャで開発する方針を以前から明らかにしていました。その新世代商品群が2022年からスタートするのです。見どころは完全にブランニューの内燃機関が幾つも展開されるところではないでしょうか。プラグインハイブリッド車(PHEV)や48Vのマイルドハイブリッド(MHEV)が中心でモーターと組み合わせる電動車ではありますが、ラージ商品群に搭載される直列6気筒のエンジンに興味がわく方も多いかもしれません。
カワサキモータースからも、パワートレインに絡んだ発表がありました。二輪車の電動化です。2035年までに先進国向けの主要モデルをハイブリッド車(HEV)もしくは電気自動車(EV)とします。なお、大型バイクは重量がアップするEV化が難しいため、水素をはじめとするカーボンニュートラル燃料を活用するとしています。水素エンジンも有力視しているようです。趣味性の高いバイクと電動化の相性はどう出るのでしょうか。
単に新型車だというだけでなく、「どんな製品に仕上がるだろうか?」とワクワクさせるモデルが出てくるのはとてもポジティブでいいですね。新しいパワートレインは、出始めと、それをこなれさせていくまでの間にいろいろなアプローチや試行錯誤が続くことでしょう。いろいろなクルマやバイクが出てくるのは面白いに違いありません。
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