腸を温めて睡眠の質を高めるインナーウェアの商品化に向けて協業:医療機器ニュース
AuBとメタジェンは、ヘルスケア分野の商品開発において協業を開始した。腸を温めることで睡眠の質を改善するなど、健康課題を解決するインナーウェアを開発し、2022年2月をめどに商品化を予定している。
AuBは2021年9月14日、ヘルスケア分野の商品開発において、メタジェンと協業することを発表した。腸を温めることで睡眠の質を改善するなど、健康課題を解決するインナーウェアを開発し、2022年2月をめどに商品化する予定だ。
両社は現在、おなか(腸)を温めることによる健康効果を科学的に検証する研究を進めている。一般人とトップアスリートそれぞれ約50人を対象に、便から腸内細菌を検査するAuBの専用キットを使用して、腸内細菌の種類や量などの腸内環境を解析。腸の温度(深部体温)やおなかの表面温度、睡眠時間、食事内容、便通、疲労度などとの相関関係について調査する。
メタジェンは、短鎖脂肪酸などの腸内細菌代謝物を解析する。この代謝物質は、大腸に届いた食べ物の未消化物を腸内細菌が分解する際に産生する、人体に有益な成分だ。これを調査することで、腸内細菌の働きや腸内環境の状態を評価する。
既にインナーウェアの試作品を開発しており、アスリートによる着用試験を実施している。選手からは、「睡眠の質が上がった」「便通が改善した」といった評価を多数得ているという。
AuBは、サッカー元日本代表の鈴木啓太氏が代表を務めるバイオベンチャー。メタジェンは、独自技術で便から腸内フローラや腸内代謝物質を統合的に解析し、腸内環境を評価するバイオスタートアップ企業だ。両社が共同研究ならびに商品開発をするのは、今回が初となる。
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