3Dプリンタ材料の開発を加速する品質検証機能を備えたショールーム開設:3Dプリンタニュース
XYZプリンティングジャパンは、粉末焼結積層造形(SLS)方式3Dプリンタ用材料の検証をはじめ、化学メーカーとの材料開発の協業を加速させることを目的に、3Dプリンタ用材料の品質検証機能を兼ね備えたショールームを、同社東京オフィス内に開設した。
XYZプリンティングジャパンは2021年9月6日、粉末焼結積層造形(SLS)方式3Dプリンタ用材料の検証をはじめ、化学メーカーとの材料開発の協業を加速させることを目的に、3Dプリンタ用材料の品質検証機能を兼ね備えたショールームを、同社東京オフィス(東京都板橋区)内に開設したことを発表した。
近年、3Dプリンタの活用は多岐にわたっており、自社製の純正3Dプリント材料のみで全ての市場ニーズに対応することは難しい。こうした状況を踏まえ、同社は材料に関する専門的なノウハウを有する化学メーカーとの協業を積極的に推進することで、国内市場で求められる3Dプリント材料の開発を加速させたい考えだ。
化学メーカーとともにオープンマテリアルプロジェクトを推進
今回開設したショールームでは、SLS方式3Dプリンタの他、高速出力タイプの光造形(SLA)方式3Dプリンタや、スーパーエンプラに対応する熱溶解積層(FDM)方式3Dプリンタなども設置。同社は、自社純正の3Dプリント材料の検証を行うとともに、化学メーカーによる材料開発の支援にも取り組む「オープンマテリアルプロジェクト」を推進する。
具体的には、化学メーカーからの要望に応え、市場調査を実施したり、検証環境を提供してパラメーター情報などを共有したりしながら、化学メーカーの材料開発を強力に後押しするという。また、協業によって開発した新材料は、XYZプリンティングのブランドとして採用され、日本市場だけでなく、米国や欧州、中国といったグローバル市場も視野に展開される予定だ。
3Dプリンタ導入・活用の障壁を下げる新サービス
同社は、ショールームの開設に伴い、産業用3Dプリンタの保守プランに関する変更も発表。これまで、SLS方式3Dプリンタに搭載されているCO2レーザーなどは、保証対象外のパーツとして扱われていたが、2021年9月6日から全てのパーツが保証対象となる。さらに、同社が認定した材料であれば、他社製材料を使用して発生した不具合に対しても、従来と同一の保証が適用される。同時に、保守費用を抑えたいユーザー向けの低額保守プランも用意する。
設置時のユーザー負担を軽減するため、「3Dプリンタ設置環境構築」サービスの提供も開始する。同サービスは、主にSLS方式3Dプリンタ「MfgPro230 xS」と、バインダージェット方式3Dプリンタ「PartPro350 xBC」を対象としたもので、電源/配管工事などまで含めた設置環境構築そのものをパッケージ商材として提供する。同パッケージであれば、従来、数百万円規模の費用が生じていた設置環境構築を、100万円以下に抑えられるという。
他にも、3Dプリンタを新たに導入する企業を支援する施策として、「3Dデータ作成支援」や「補助金申請支援」といった新サービスも2021年内に開始する計画。同社は、ショールーム機能を活用し、3Dプリンタ導入時に浮上する顧客課題の解決につながるソリューションサービスを随時拡大していくとしている。
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